icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina57巻11号

2020年10月発行

文献概要

特集 皮疹はこう見る,こう表現する よく見る皮膚疾患を発疹レベルで理解する 〈皮膚炎・蕁麻疹など〉

異汗性湿疹

著者: 高山かおる1

所属機関: 1済生会川口総合病院

ページ範囲:P.1872 - P.1873

文献購入ページに移動
▶疾患の概要
 異汗性湿疹は痒みや痛痒さを伴う手掌・足蹠を主体とする湿疹病変である.初期症状は小水疱ではじまることが多く,汗疱と呼ばれる.発汗で増悪することが多く,なんらかの汗にかかわる発疹であると考えられている.
 発生機序として,汗の出る汗管の出口の異常1)や汗に含まれる体内から排泄される金属に対するアレルギーであること2)などが言われている.全身型金属アレルギーの場合には全身の広い範囲に皮膚症状があり,特徴的所見として手足に異汗性湿疹を伴うことがある2).また,免疫グロブリンの大量療法を受けた後に異汗性湿疹が生じた症例が報告されている3)

参考文献

1)西澤 綾,佐藤貴浩:手湿疹の治療.MB derma 248:34-40, 2016
2)足立厚子,堀川達弥:全身型金属アレルギー 食餌制限の有効性について.臨皮 46:883-889, 1992
3)Gerstenblith MR, et al:Pompholyx and eczematous reactions associated with intravenous immunoglobulin therapy. J Am Acad Dermatol 66:312-316, 2012
4)日本皮膚科学会,日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会,手湿疹診療ガイドライン委員会:手湿疹診療ガイドライン.日皮会誌 128:367-386, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?