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文献詳細

雑誌文献

medicina57巻11号

2020年10月発行

文献概要

特集 皮疹はこう見る,こう表現する よく見る皮膚疾患を発疹レベルで理解する 〈皮膚炎・蕁麻疹など〉

多形滲出性紅斑

著者: 渡辺秀晃1

所属機関: 1昭和大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.1878 - P.1880

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▶疾患の概要
 滲出性の紅斑性皮疹に丘疹や環状紅斑・小水疱・水疱などの「多形性」があり,また新旧の皮疹が混在し「多形」を呈する.個々の皮疹が遠心性に拡大し次第に標的状(target lesion)となる.現在では単に多形紅斑と呼ばれることも多い.粘膜疹を伴わず比較的軽症なタイプと粘膜疹を伴う比較的重症なタイプに分けられる1)
 病因には単純疱疹ウイルス,EBウイルス,サイトメガロウイルス,Mycoplasma pneumoniae,細菌,薬剤などが挙げられる.感作能のある薬剤・物質の外用・接触後に本症を生じることがある.しかしながら50%近くの症例では原因を同定できていないとされる1)

参考文献

1)渡辺秀晃:多形滲出性紅斑(多形紅斑),環状紅斑.福井次矢,他(編):今日の治療指針2019,p1256,医学書院,2019
2)塩原哲夫:「重症多形滲出性紅斑 スティーヴンス・ジョンソン症候群・中毒性表皮壊死症」の検証.皮膚疾患最新の治療2019-2020,pp14-18,南江堂,2019
3)Watanabe R, et al:Critical factors differentiating erythema multiforme majus from Stevens-Johnson syndrome(SJS)/toxic epidermal necrolysis(TEN). Eur J Dermatol 21:889-894, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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