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特集 皮疹はこう見る,こう表現する よく見る皮膚疾患を発疹レベルで理解する 〈血管・血流障害〉
凍瘡
著者: 壽順久1
所属機関: 1大阪大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.1888 - P.1889
文献購入ページに移動いわゆる“しもやけ”である.気温5℃前後で,日内気温差が大きい時に生じやすい.寒冷曝露に対する末梢循環機能異常に基づく物理的皮膚血管障害と考えられているが,血管自体の形態的異常はない.繰り返す寒冷刺激により,小動静脈がうっ血し,紅斑➊,発赤,腫脹,時に水疱➋,びらん➌,潰瘍といった臨床像を呈する.瘙痒が主な症状であるが,時に疼痛を伴うこともある.温もることにより瘙痒は増強する.循環障害の起こりやすい,手指,足趾,耳朶,頰部などに好発し,幼児・学童,女性,高齢者に多い.しばしば両親に凍瘡の既往があり,遺伝的素因の関与が疑われる.
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