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特集 皮疹はこう見る,こう表現する よく見る皮膚疾患を発疹レベルで理解する 〈膠原病および類似疾患〉
エリテマトーデス
著者: 神人正寿1
所属機関: 1和歌山県立医科大学皮膚科
ページ範囲:P.1898 - P.1899
文献購入ページに移動エリテマトーデスの病因はいまだ不明であるが,多くの自己抗体の産生を主体とした免疫異常を背景にしていると考えられている.全身にさまざまな症状をきたすが,邦訳された病名の紅斑性狼瘡は「狼に噛まれた傷に似た紅斑」,という意味である.実際,多くの症例に皮疹が出現し,診断や病勢の評価に有用であるため真っ先に注目すべきである.
しかし,エリテマトーデスの皮膚所見でわれわれを悩ませるのはその多様性であり,紅斑以外にもさまざまな皮疹が出現しうる.以下のように急性型,亜急性型,および慢性型に分類される.通常の治療に反応しない皮疹では必ず本症を鑑別に挙げ,血液検査・皮膚生検およびループスバンドテストで診断を試みる.
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