icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina57巻11号

2020年10月発行

文献概要

特集 皮疹はこう見る,こう表現する よく見る皮膚疾患を発疹レベルで理解する 〈真菌感染症〉

足白癬

著者: 常深祐一郎1

所属機関: 1埼玉医科大学皮膚科

ページ範囲:P.1928 - P.1929

文献購入ページに移動
▶疾患の概要
 白癬は白癬菌が表皮の角層に感染したものである(図1,図2a).表皮細胞は自然免疫の受容体を有し,白癬菌を感知できるが,足底は角層が厚いため,その下の生きた表皮細胞との間に距離があり,感染が持続しやすい.ただし,まったく感知できないわけではなく,一定の感染防御反応が起こる.
 感染防御反応は,①表皮のターンオーバーを速くして白癬菌を押し出す(図2b),②海綿状態(表皮細胞間浮腫)を生じさせて水分とともに白癬菌を洗い出す(図2c),③表皮や角層を厚くして侵入を阻止する(図2d),抗菌ペプチドを産生する,④サイトカインを産生し好中球などの白血球を遊走させて殺菌・貪食させる,などさまざまな方法がとられる.速いターンオーバーは鱗屑として(図2b),海綿状態は水疱として(図2c),厚い角層は過角化(図2d)として肉眼的に皮疹に現れる.また,趾間では湿度が高いため角層が浸軟(ふやけること)する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?