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文献詳細

雑誌文献

medicina57巻11号

2020年10月発行

特集 皮疹はこう見る,こう表現する

よく見る皮膚疾患を発疹レベルで理解する 〈色素異常症〉

肝斑

著者: 櫻井直樹1

所属機関: 1シャルムクリニック

ページ範囲:P.1936 - P.1937

文献概要

▶疾患の概要
 顔面に生じる色素沈着である.紫外線が増悪因子であり,夏に濃く,冬に薄くなる傾向がある.洗顔時にこすりすぎる刺激による色素沈着とする説もある.本症は女性に多く,妊娠中や経口避妊薬内服中に発症するケースも知られており,女性ホルモンの関与が考えられている.しかし,閉経後に本疾患が存在するケースや男性例もあること,症例により治療の反応性がさまざまであることから,筆者は肝斑は症候群であろうと考えている.
 肝斑は,老人性色素斑のような器質性疾患ではなく,局所のメラノサイトのメラニン産生機能が亢進している機能性疾患であり,最近では真皮乳頭層レベルの毛細血管や老化した線維芽細胞の関与を指摘する研究もあり,それらにアプローチする治療も開発されてきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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