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文献詳細

雑誌文献

medicina57巻11号

2020年10月発行

文献概要

特集 皮疹はこう見る,こう表現する よく見る皮膚疾患を発疹レベルで理解する 〈良性腫瘍〉

色素性母斑

著者: 入澤亮吉1

所属機関: 1東京医科大学皮膚科学分野

ページ範囲:P.1948 - P.1949

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▶疾患の概要
 色素性母斑の母斑細胞は神経櫛(neural crest)由来の細胞でメラニン細胞に類似し,メラニン色素の産生能を有する1).メラニン色素は黒色のユーメラニンと黄色のフェオメラニンが存在するが,日本人においては白人と比較してユーメラニンの比率が高い2).色素性母斑の色調はこのメラニンの量と,局在の深さによって決定される3).例えば表皮真皮境界部にメラニン色素があれば褐色調を呈し,この量が多量となれば黒色調を呈する.青色母斑のごとく真皮中層にメラニン沈着があれば青色調を呈するが,真皮内母斑においては概して真皮直下の母斑細胞のみがメラニンを産生するため灰色〜黒色を呈する2)

参考文献

1)大塚藤男(編著),上野賢一(原著):皮膚科学.pp518-521,金芳堂,2012
2)玉置邦彦(総編集):最新皮膚科学大系8色素異常症.pp2-11,中山書店,2002
3)岩澤うつぎ:皮膚病変の色の診かた.J Visual Dermatol 18:654-657, 2019
4)真鍋俊明,清水道生(編):皮膚腫瘍Ⅱ.pp18-24,文光堂,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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