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特集 皮疹はこう見る,こう表現する よく見る皮膚疾患を発疹レベルで理解する 〈悪性腫瘍〉
悪性黒色腫
著者: 中村泰大1 梅田善康1 石月翔一郞1
所属機関: 1埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科・皮膚科
ページ範囲:P.1952 - P.1953
文献購入ページに移動皮膚悪性黒色腫は,主として表皮基底層に存在する色素細胞が癌化することで生じる皮膚悪性腫瘍である.臨床所見や発生部位を加味して,①末端黒子型,②悪性黒子型,③表在拡大型,④結節型,の4つの病型に分類されている(図1).また皮膚以外では,粘膜,脳軟膜や眼球脈絡膜にも色素細胞が存在することから,これらの部位にも悪性黒色腫が生じることがあり,上記4病型と区別して取り扱われることが多い.
近年,分子生物学,遺伝学的研究により,悪性黒色腫を日光曝露の累積量(cumulative sun damage:CSD),解剖学的部位,遺伝子異常によって分ける新たな分類が提唱されている1〜3).従来の悪性黒子型に相当する日光曝露累積量が高いhigh-CSD melanoma,従来の表在拡大型に相当する日光曝露累積量が低いlow-CSD melanomaと分類し,それ以外の悪性黒色腫は,従来の末端黒子型に相当する四肢末端部の黒色腫(acral melanoma),粘膜部の黒色腫(mucosal melanoma),眼球内の黒色腫(uveal melanoma),malignant Spitz tumor,先天性色素性母斑に生じるもの,青色母斑に生じるものに分類している.
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