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雑誌目次

雑誌文献

medicina57巻3号

2020年03月発行

雑誌目次

特集 症状・治療歴から考える—薬の副作用の診断プロセス問題集60題

著者: 宮田靖志

ページ範囲:P.421 - P.421

 さまざまな身体・精神症状を訴えて患者さんは外来受診され,医師は問診,身体診察,血液・画像検査によってその症状の原因を探っていきますが,諸検査にて異常がないとき,もしかするとこの症状は薬の副作用なのではないかと考えるような診断プロセスをとることが多いと思います.あるいは,病歴聴取の始まりに薬による副作用の可能性に気づいて,診断プロセスを進めることもあります.
 患者さんの症状を薬の副作用と考えて診断プロセスを進めるとき,患者さんの現在の治療歴からどのような薬が出ているかを想像し,その後,実際に処方歴を確認し,副作用を生じている被疑薬によって患者さんの症状が説明できるかを添付文書やさまざまな教科書で裏付けを得て仮診断に至り,何らかの対応をして症状が改善した場合に薬による副作用が原因の症状であったことを確信します.

座談会

薬による副作用(有害事象・有害反応)をどう回避するか?

著者: 北和也 ,   宮田靖志 ,   小澤労

ページ範囲:P.422 - P.429

本日は,臨床の最前線で日々奮闘されている若手と中堅の先生方にお越しいただいて,薬による副作用(有害事象・有害反応)をどう回避するかということについて,実際の臨床現場での現状をお話しいただきたいと思います.(宮田)

総論

薬物有害事象,薬物有害反応に対処する—リスクのない薬はない! 慎重投与のすすめ

著者: 宮田靖志

ページ範囲:P.430 - P.436

Point
◎薬物のエラーによる患者の害は,想像以上に多く発生していることを肝に銘じるべきである.
◎薬物有害反応の診断は難しい.Naranjoのスケールで積極的に診断を試みる必要がある.
◎薬物有害事象のほとんどはシステムエラーから生じている.60%は予防可能である.
◎本当に新薬を使用する必要性があるのか,きちんと見極める必要がある.

症例問題

01 6年前からやる気が出ない感じが続く64歳女性

著者: 宮田靖志

ページ範囲:P.437 - P.438

患者 64歳,女性
主訴 ついでに一度総合内科で相談してみたい

02 3カ月前からの倦怠感を訴える55歳男性

著者: 松浦武志

ページ範囲:P.439 - P.440

患者 55歳,男性
主訴 倦怠感,労作時息切れ

03 倦怠感が続く高校3年生

著者: 池田啓浩

ページ範囲:P.441 - P.442

患者 17歳,男性
主訴 だるくて勉強ができない.

04 全身倦怠感を訴える定期外来通院中の慢性膵炎患者

著者: 小比賀美香子

ページ範囲:P.443 - P.444

患者 69歳,男性
主訴 全身倦怠感,口喝,多尿

05 体重が増えない9歳男児

著者: 上松東宏

ページ範囲:P.445 - P.446

患者 9歳0カ月,男児(米国人)
主訴 体重が増えない

06 風邪を引いたら熱が続く68歳男性

著者: 雨森正記

ページ範囲:P.447 - P.448

患者 68歳,男性
主訴 風邪を引いたらいつも熱が続いて入院する.なんでだろう?

07 3日前からの発熱と紅皮症を主訴に受診した70歳女性

著者: 松浦武志

ページ範囲:P.449 - P.450

患者 70歳,女性
主訴 発熱,全身の紅斑

08 周期性発熱の精査目的に紹介された66歳女性

著者: 高瀬啓至 ,   志水太郎

ページ範囲:P.451 - P.453

患者 66歳,女性
主訴 月1回の発熱,腹痛,下痢

09 原因不明の発熱と乾性咳嗽が続く23歳男性

著者: 小澤労

ページ範囲:P.455 - P.457

患者 23歳,男性
主訴 発熱

10 浮腫に悩まされている76歳男性

著者: 木村琢磨

ページ範囲:P.459 - P.461

患者 76歳,男性
主訴 下腿浮腫

11 両下腿浮腫のある76歳女性

著者: 中川紘明

ページ範囲:P.463 - P.464

症例 76歳女性
主訴 両足のむくみ

12 4日前から下腿浮腫が出現した72歳男性

著者: 平塚佑太郎 ,   川口篤也

ページ範囲:P.465 - P.466

患者 72歳,男性
主訴 両足の浮腫

13 CO2ナルコーシスを繰り返す75歳女性

著者: 野溝崇史 ,   和足孝之

ページ範囲:P.467 - P.468

患者 75歳,女性
主訴 意識障害

14 重症遷延性低血糖による意識障害をきたした89歳女性

著者: 草野晋平 ,   永井友基

ページ範囲:P.469 - P.470

患者 89歳,女性
主訴 意識障害

15 一過性意識障害を繰り返す86歳女性

著者: 木村琢磨

ページ範囲:P.471 - P.473

患者 86歳,女性
主訴 一過性意識障害

16 急な意識障害を呈した59歳男性

著者: 佐田竜一

ページ範囲:P.474 - P.477

患者 59歳,男性 主訴 頭痛,痙攣
現病歴 Basic ADL/Instrumental ADL自立の59歳男性.1週間前から出張し,入院当日の15時頃に帰宅した.その頃から頭痛が出現したため横になって休んでいた.夕食は19時頃に通常通り摂取できたが,22時30分頃に急に顔を左右に振る動作が出現した.妻がそれに気づき声をかけたが,「わかっているよ」と繰り返し発言したことから違和感を感じて顔を見てみると,視線が合わず「わかっている」を繰り返すため救急車を要請した.救急搬送中に突然大声を上げたのちに両手を曲げて1分程度の痙攣が起こった.

17 鎮静から目覚めない透析中の56歳男性

著者: 萩谷英大 ,   小比賀美香子

ページ範囲:P.478 - P.481

患者 56歳,男性
主訴 抜管後に目覚めない

18 喘鳴が改善しない47歳女性

著者: 濱口杉大

ページ範囲:P.482 - P.484

患者 47歳,女性
主訴 呼吸困難

19 呼吸苦が続く31歳女性

著者: 山田康博

ページ範囲:P.485 - P.486

患者 31歳,女性
主訴 呼吸が苦しい

20 肺化膿症の再発で入院した86歳男性

著者: 奥村光一郎 ,   綿貫聡

ページ範囲:P.487 - P.488

患者 86歳,男性
主訴 問いかけに対して反応が乏しい

21 インフルエンザ後から動悸が続く94歳女性

著者: 矢吹拓

ページ範囲:P.489 - P.490

患者 94歳,女性
主訴 動悸,呼吸困難

22 ドキドキして寝つきが悪い64歳の男性

著者: 尾原晴雄

ページ範囲:P.491 - P.492

患者 64歳,男性
主訴 ドキドキして寝つきが悪い

23 消化器症状,体重減少,歩行障害を主訴に受診した76歳男性

著者: 野田和敬 ,   上原孝紀 ,   生坂政臣

ページ範囲:P.493 - P.494

患者 76歳,男性
主訴 食欲低下,嘔吐,体重減少,軟便

24 注腸前処置中に腹痛,嘔吐,意識障害をきたした69歳女性

著者: 溝岡雅文

ページ範囲:P.495 - P.496

患者 69歳女性
症状 注腸前処置中の腹痛,嘔吐,意識障害

25 持続的な右季肋部痛を訴える50歳女性

著者: 小田浩之

ページ範囲:P.497 - P.498

患者 50歳,女性
主訴 右季肋部痛

26 胃もたれ,飲み込んだときの違和感がある75歳男性

著者: 和田恭宏 ,   川島篤志

ページ範囲:P.499 - P.500

患者 75歳,男性
主訴 胃がもたれる感じがあり,検査を施行し,薬が処方された.その後も症状持続,再聴取すると食べものを飲み込んだときに違和感を感じるとのこと.

27 食思不振が続く85歳女性

著者: 野溝崇史 ,   和足孝之

ページ範囲:P.501 - P.502

患者 85歳,女性
主訴 嘔気/食思不振,頻尿

28 多関節痛と食欲不振を訴える64歳男性

著者: 山本祐

ページ範囲:P.503 - P.504

患者 64歳,男性
主訴 多関節痛,食欲不振

29 3日前から食事量が低下し嘔吐した86歳男性

著者: 森川暢

ページ範囲:P.505 - P.506

患者 86歳,男性
主訴 食事量低下,嘔吐

30 嘔気と食思不振を主訴に紹介受診した83歳女性

著者: 清水郁夫

ページ範囲:P.507 - P.509

患者 83歳,女性
主訴 嘔気,食思不振

31 3カ月前から食思不振,体重減少が続く69歳男性

著者: 會田哲朗 ,   濱口杉大

ページ範囲:P.511 - P.512

患者 69歳,男性
主訴 食思不振

32 数カ月前から食思不振が続く71歳男性

著者: 上松東宏

ページ範囲:P.513 - P.514

患者 71歳,男性
主訴 数カ月前からの食思不振

33 急に皮下出血と黒色便をきたした65歳男性

著者: 山中萌奈美 ,   永井友基

ページ範囲:P.515 - P.516

患者 65歳,男性
主訴 全身倦怠感

34 受診2日前から下痢を認めた82歳女性

著者: 森川暢

ページ範囲:P.517 - P.518

患者 82歳,女性
主訴 呼吸困難

35 心筋梗塞症になってから下痢が続く82歳女性

著者: 板金広

ページ範囲:P.519 - P.520

患者 82歳,女性
主訴 頻回の水様性下痢

36 入院中に下痢を訴える78歳女性

著者: 岸田直樹

ページ範囲:P.521 - P.523

患者 78歳,女性
主訴 下痢

37 手足がつりやすくなった74歳男性

著者: 山本祐

ページ範囲:P.525 - P.527

患者 74歳,男性
主訴 手足がつりやすい

38 倦怠感の精査中に進行した73歳女性の貧血

著者: 保浦修裕 ,   綿貫聡

ページ範囲:P.529 - P.530

患者 73歳,女性
主訴 倦怠感

39 定期採血で大球性貧血を指摘された65歳女性

著者: 星哲哉

ページ範囲:P.531 - P.533

患者 65歳,女性
主訴 定期の採血で軽度の貧血を指摘された

41 2日前からめまい・嘔気のある30歳女性

著者: 中川紘明

ページ範囲:P.539 - P.540

患者 30歳,女性
主訴 めまい

42 両手足のしびれ,熱感をどうにかしてくれと強く訴える49歳男性

著者: 尾原晴雄

ページ範囲:P.541 - P.542

患者 49歳,男性
主訴 両手足のしびれ,熱感

43 倦怠感,しびれの精査で受診した中年女性

著者: 溝岡雅文

ページ範囲:P.543 - P.544

患者 40歳台,女性
主訴 倦怠感としびれ,浮腫

44 1日前から発症した全身性不随意運動を主訴に来院した94歳男性

著者: 平塚佑太郎 ,   川口篤也

ページ範囲:P.545 - P.546

患者 94歳,男性
主訴 全身のピクつく動き

45 不眠を主訴に受診した29歳男性

著者: 野田和敬 ,   上原孝紀 ,   生坂政臣

ページ範囲:P.547 - P.548

患者 29歳,男性
主訴 眠れなくて苦しい,気持ちがぎくしゃくする

46 いつもよりぼーっとしている78歳女性

著者: 山田康博

ページ範囲:P.549 - P.550

患者 78歳,女性
主訴 風邪薬を処方された後にぼーっとしている

47 何か様子がおかしい54歳女性

著者: 長谷部仁美 ,   川島篤志

ページ範囲:P.551 - P.552

患者 54歳,女性
主訴 吐き気・摂食量低下がみられた数時間後,何か様子がおかしい

48 夜中に何か食べている75歳女性

著者: 雨森正記

ページ範囲:P.553 - P.554

患者 75歳,女性
主訴 本人は全く自覚していないが,夜中に冷蔵庫を漁っている

49 最近「認知症」が悪化,在宅生活が困難になり介護施設に入居した79歳女性

著者: 北西史直

ページ範囲:P.555 - P.556

患者 79歳,女性
主訴 認知症の悪化

50 急に認知症になったと家族から相談を受けた84歳女性

著者: 板金広

ページ範囲:P.557 - P.558

患者 84歳,女性
主訴 ここ数日様子がおかしい

51 大汗をかくようになった80歳女性

著者: 池田啓浩

ページ範囲:P.559 - P.560

患者 80歳,女性
主訴 汗を何とかしてほしい

52 頸部・上肢にかゆみを伴う皮疹を呈した65歳男性

著者: 佐田竜一

ページ範囲:P.561 - P.562

患者 65歳,男性 主訴 頸部・上肢にかゆみを伴う皮疹
現病歴 Basic ADL/Instrumental ADL自立の65歳男性.3日前に家の畑で半日作業をした.2日前から頸部・上肢にかゆみを伴う発赤を自覚した.経過を見ていたが改善がないため当科を受診した.皮疹以外に明らかな症状はなく,悪寒戦慄,体重減少,気道症状,腹部症状,関節痛などは認めない.そのほか,膠原病に関連するような蝶形紅斑,Discoid斑,Raynaud症状,口腔内/陰部潰瘍,口腔内乾燥/眼球乾燥,筋力低下などの自覚もない.

53 水疱を繰り返す40歳女性

著者: 小楠美帆 ,   茂木恒俊

ページ範囲:P.563 - P.564

患者 40歳,女性
主訴 足に水疱ができた

54 両目が充血し,関節が腫れてきた35歳女性

著者: 星哲哉

ページ範囲:P.565 - P.566

患者 35歳,女性
主訴 関節が痛い

55 目の焦点が合わなくなった44歳男性

著者: 小楠美帆 ,   茂木恒俊

ページ範囲:P.567 - P.568

患者 44歳,男性
主訴 焦点が合わない

56 「大声を出したい気持ち」になった81歳男性

著者: 北和也

ページ範囲:P.569 - P.570

患者 81歳,男性
主訴 大声を出したい気持ち,尿が少ししか出ない

57 尿閉を起こした91歳女性

著者: 北西史直

ページ範囲:P.571 - P.572

患者 91歳,女性
主訴 尿が出ない,下腹部が痛い

58 右足趾痛を主訴に救急外来を受診した67歳女性

著者: 清水郁夫

ページ範囲:P.573 - P.574

患者 67歳,女性
主訴 右5趾の痛み

59 3日前からの筋力低下の69歳男性

著者: 志水太郎

ページ範囲:P.575 - P.576

患者 69歳,男性
主訴 下肢の筋力低下

60 3カ月前から歯肉の腫脹と出血がある50歳男性

著者: 小田浩之

ページ範囲:P.577 - P.578

患者 50歳,男性
主訴 上顎左側臼歯部の腫脹および疼痛

連載 見て,読んで,実践! 神経ビジュアル診察・23

目が回る〜!?—危ない眼振

著者: 難波雄亮

ページ範囲:P.413 - P.416

 患者さんが「目が回る」と言ったとき,診察で確認しておくべきなのが眼振です.めまいがあるとき,末梢性前庭障害・中枢性神経障害などの疾患で,眼振が出現している可能性があります.
 本稿では,よく遭遇する末梢性前庭障害や危ない中枢性神経障害による眼振について勉強しましょう.
 
*本論文中、関連する動画を見ることができます(公開期間:2022年2月28日まで公開)。

物忘れ外来から学ぶ現場のコツ 認知症患者の診かた・22

認知症の周辺症状が急に悪化した場合には,どうしたらよいですか?

著者: 重松一生

ページ範囲:P.579 - P.583

ポイント
認知症の多くは潜行性発症,緩徐進行性です.ところが“急変”は決して稀でなく,かつその対応が極めて困難であることを忘れてはいけません.

フレーズにピンときたら,このパターン! 鑑別診断に使えるカード・3

「原因不明の脳梗塞」「糖尿病の関与しない低血糖」「両側性顔面神経麻痺」

著者: 長野広之

ページ範囲:P.584 - P.591

総論
 脳梗塞は原因により主にアテローム血栓性梗塞,心原性脳塞栓症,ラクナ梗塞に分かれるが,通常精査(MRI,頸動脈/心臓超音波検査,Holter心電図など)を行った後に10〜40%ほどは原因不明(cryptogenic stroke)に分類される1).この原因には表12)のようなものがあるが,若年(18〜30歳)では動脈解離・血栓傾向・先天性心疾患が多く,年齢が上がるごとに若年性の動脈硬化や後天性構造的心疾患が増え,60歳以上になると検査で捕まえられない心房細動が多くなる.これらの原因から重要なものを紹介する.

目でみるトレーニング

問題940・941・942

著者: 岩崎靖 ,   黒田浩一 ,   梶原祐策

ページ範囲:P.592 - P.597

書評

—Jane M. Orient 原著 須藤 博,藤田芳郎,徳田安春,岩田健太郎 監訳—サパイラ 身体診察のアートとサイエンス 第2版

著者: 市原真

ページ範囲:P.454 - P.454

 発売直後に購入し,8割方読んだ感想.安い.なぜこの内容をこの値段で? 医学書院は本でもうけることをやめてしまったのか?
 医学生や研修医の皆さまは,診察の教科書と聞くとまずマックバーニー圧痛点とかロンベルク徴候といった,「名前のついた手技」が載っているのかなとイメージするかもしれない.でもそれよりずっと奥深い.甲状腺を触診するときのコツは? 小脳優位の症状をざっと述べるならば? 患者が診察室から去り際に付け加えがちなセリフとは? 今日もどこかの診察室で必ず行われている医療面接や診察手技の,意義と手順,エビデンスとナラティブが,圧倒的な分量で詰めこまれている.

—藤田直久 編—これでわかる! 抗菌薬選択トレーニング—感受性検査を読み解けば処方が変わる

著者: 青木眞

ページ範囲:P.524 - P.524

 2016年5月に開催された先進国首脳会議,通称「伊勢志摩サミット」で薬剤耐性(AMR)の問題が取り上げられ,当時の塩崎恭久厚生労働大臣のイニシアチブの下さまざまな企画が立ち上げられた.国立国際医療研究センターにある国際感染症センターの活動も周知のとおりである.
 にもかかわらず,広域抗菌薬の代表とも言えるカルバペネム系抗菌薬の消費が,日本だけで世界の7割を占めるという状況から,(一部の意識の高い施設を除いて)大きく変わった印象が現場に少ない.もちろん,最大の原因は「感染症診療の原則とその文化」の広がりが均一でないことによる.しかし,さらにつきつめると,実は「抗菌薬感受性検査の読み方」が十分に教育できていないことも大きな理由の1つである.感受性検査の結果をS,I,Rに分類して単純に「Sを選ぶ」ことに疑問を抱かない問題と言ってもよい.1つひとつの症例で,ある抗菌薬が選ばれる背景には,感受性が「S」であること以外にも,微生物学的・臨床的・疫学的など多くの理由がある.その理解なしに,適切な抗菌薬の選択は不可能あるいは危険なのである.評者も,群馬大学におられた佐竹幸子先生らとともにNPO法人EBICセミナーの一環として「抗菌薬感受性検査の読み方」シリーズを10年以上にわたり講義してきた.その講義は現在,日本感染症教育研究会(通称IDATEN)に引き継がれている.しかし,そのエッセンスを伝える書物は本書の発行まで皆無であった.

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目次

ページ範囲:P.418 - P.420

読者アンケート

ページ範囲:P.599 - P.599

バックナンバーのご案内

ページ範囲:P.600 - P.601

購読申し込み書

ページ範囲:P.602 - P.602

次号予告

ページ範囲:P.603 - P.603

奥付

ページ範囲:P.604 - P.604

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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60巻13号(2023年12月発行)

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56巻1号(2019年1月発行)

特集 枠組みとケースから考える—消化器薬の選び方・使い方

55巻13号(2018年12月発行)

特集 これからの心不全診療への最新アプローチ—予防からチーム医療・先進医療まで

55巻12号(2018年11月発行)

特集 内科医のための「ちょいあて」エコー—POCUSのススメ

55巻11号(2018年10月発行)

特集 どんとこい! 内科医が支える—エンド・オブ・ライフ

55巻10号(2018年9月発行)

特集 クリティカル・ケアを極める—一歩進んだ総合内科医を目指して

55巻9号(2018年8月発行)

特集 もっともっとフィジカル!—黒帯級の技とパール

55巻8号(2018年7月発行)

特集 血液疾患を見逃さないために—プライマリ・ケアと専門医コンサルトのタイミング

55巻7号(2018年6月発行)

特集 ここさえ分かれば—輸液・水・電解質

55巻6号(2018年5月発行)

特集 プロブレムから学ぶ感染症診療—すぐに役立つ厳選シナリオ30選

55巻5号(2018年4月発行)

特集 明日のために解くべし!—総合内科問題集

55巻4号(2018年4月発行)

増刊号 プライマリ・ケアでおさえておきたい—重要薬・頻用薬

55巻3号(2018年3月発行)

特集 —クリニカル・クエスチョンで学ぶ—循環器薬の使い方

55巻2号(2018年2月発行)

特集 —デキる内科医の—神経内科コンサルト

55巻1号(2018年1月発行)

特集 気管支喘息・COPD診療に強くなる

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