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特集 教えて! 健診/検診“ホントのところ”—エビデンスを知り,何を伝えるか 健診/検診の理解を深める
なぜ正常範囲ではなく“基準範囲”なのか—“異常”は本当に異常なのか?
著者: 佐藤正一1 市原清志2
所属機関: 1国際医療福祉大学成田保健医療学部医学検査学科 2山口大学大学院医学系研究科保健学専攻・生体情報検査学
ページ範囲:P.827 - P.831
文献購入ページに移動◎一定の“健常”条件を満たす個人を「基準個体」として,その検査値を「基準値」と呼ぶ.そして基準値分布の中央95%区間が「基準範囲」として設定される.
◎基準範囲は検査値を解釈するうえで“健常”の物差しとなるが,正常か異常かの明確な区別には利用できない.これは以下の理由による.
◎予防医学的な観点で設定される「臨床判断値」は,基準範囲の内側に設定される.
◎個人の検査値の変動幅は,集団から算出された基準範囲より狭いので,検査値が基準範囲内でも,個人としては異常と見なすべき場合がある.
◎基準範囲を超えた検査値の解釈は,生理的変動要因や関連検査値とのバランスを考慮して総合的に行う必要がある.
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