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文献詳細

雑誌文献

medicina57巻6号

2020年05月発行

文献概要

特集 教えて! 健診/検診“ホントのところ”—エビデンスを知り,何を伝えるか 健診でよく実施される項目

腹部エコー

著者: 小川眞広12

所属機関: 1日本大学病院消化器内科 2日本大学病院超音波検査室

ページ範囲:P.900 - P.907

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Point
◎任意型検診として行われる腹部エコーは,被検者(依頼者)との契約によって検査対象が決まるため,一概に標的臓器を規定できない.
◎健康診断で行われるエコーでは癌検診と異なり,癌以外の,生活習慣病のリスクにつながる慢性疾患の拾い上げも重要な役割となっている.
◎近年,脂肪肝のリスクが見直され,早期からの適切な治療介入が望まれている.
◎特に喫煙歴のある男性では,エコーによる腹部大動脈瘤のスクリーニングが推奨される.
◎3学会合同で発表した『腹部超音波検診判定マニュアル』の導入により,腹部エコーによる膵癌発見率は上昇したが,エコーによるスクリーニングで罹患率や死亡率が改善したというエビデンスは現時点で存在しない.

参考文献

1)竹原靖明(監・編),熊田 卓,他(編):USスクリーニング,医学書院,2008
2)日本消化器がん検診学会:腹部超音波がん検診基準.日消がん検診誌49:667-685, 2011
3)日本消化器がん検診学会,他:腹部超音波検診判定マニュアル.日消がん検診誌52:471-493, 2014
4)日本消化器病学会(編):NAFLD/NASH診療ガイドライン2014,南江堂,2014
5)US Preventive Services Task Force(USPSTF):Screening for abdominal aortic aneurysm;US Preventive Services Task Force recommendation statement. JAMA 322:2211-2218, 2019
6)Henrikson NB, et al:Screening for pancreatic cancer;A systematic evidence review for the U.S. Preventive Services Task Force. Evidence Synthesis No. 181. Rockville, MD:Agency for Healthcare Research and Quality;2019. AHRQ Publication No. 19-05250-EF-1.
7)Henrikson NB, et al:Screening for pancreatic cancer;Updated evidence report and systematic review for the US Preventive Services Task Force. JAMA 322:445-454, 2019
8)小野寺博義,他:腹部超音波検診の精度管理.日消がん検診誌49:527-534, 2011
9)水間美宏,渡邊能行:腹部超音波がん検診の精度とその問題点.日消がん検診誌49:55-61, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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