medicina57巻7号

2020年06月発行

特集 運動・スポーツ×内科—内科医に求められるスポーツ医学とは プライマリ・ケア医が知っておきたいスポーツ内科の知識

プライマリ・ケア医が知っておきたい障害者スポーツと生活習慣病

著者： 山本満¹ 藤本幹雄¹

所属機関： ¹埼玉医科大学総合医療センターリハビリテーション科

ページ範囲：P.1160 - P.1162

Point
◎障害者のスポーツ実施率は19.2％である．
◎近年の脊髄損傷者の死因は，肺炎，悪性腫瘍，高血圧症，糖尿病，心疾患である．
◎パラアスリートでは，BMI（body mass index）25以上の肥満者が多い反面，BMIが18.5未満のやせた選手も多い．
◎エリート選手では，BMI低値や高クレアチンキナーゼ（CK）血症，貧血などのオーバートレーニングに起因する異常結果も散見され，厳密な運動指導と栄養指導が必要である．

参考文献

1）スポーツ庁：国民のスポーツライフ．　https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop05/1371876.htm（2020年4月閲覧）

2）内田竜生，他：脊髄損傷患者死因統計（第7報）生命表分析について．日本職業・災害医学会会誌48：163-168, 2000

3）Chen Y, et al：Spinal Cord Injury Model Systems；Review of program and national database from 1970 to 2015. Arch Phys Med Rehabil 97：1797-1804, 2016

4）Hoffman MD：Cardiorespiratory fitness and training in quadriplegics and paraplegics. Sports Med 3：312-330, 1986

5）Bauman WA, Spungen AM：Metabolic changes in persons after spinal cord injury. Phys Med Rehabil Clin N Am 11：109-140, 2000

6）Brenes G, et al：High density lipoprotein cholesterol concentrations in physically active and sedentary spinal cordinjured patients. Arch Phys Med Rehabil 67：445-450, 1986

7）間嶋　満，他：脊髄損傷患者における虚血性心疾患の発病の背景．リハビリテーション医学35：215-217, 1998

8）佐久間肇：障害者の生活習慣病とスポーツ．臨床スポーツ医学25：581-585, 2008

9）草野修輔：障害者アスリートのメディカルチェック．J Clin Rehabil 17：1200-1203, 2008

10）日本障害者スポーツ協会：平成28年度障害者スポーツ医養成講習会テキスト，2018