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文献詳細

雑誌文献

medicina57巻9号

2020年08月発行

文献概要

特集 患者満足度の高い便秘診療 さまざまなケースへの対応

小児の便秘の特徴と治療法

著者: 清水俊明1

所属機関: 1順天堂大学医学部小児科学教室

ページ範囲:P.1523 - P.1527

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Point
◎基本は生活習慣の改善,食事療法および薬物療法であり,まずは患児および家族に対し,便秘の原因や増悪因子,問題点を十分に説明する.
◎薬物療法は便秘の原因・程度,年齢などを考慮しながら適切な薬剤を選択し,症状の改善程度から適宜,種類や量の変更を行っていくことが大切である.
◎まずは直腸内から便塊をなくし,排便反射や便意などがスムースに生じる伸展性のある直腸に戻すことが重要であり,浣腸や坐剤を併用しながら徐々に経口薬のみに移行する.
◎親に薬剤の作用機序や正しい使用方法を十分に説明し,排便日誌をつけさせ,薬剤の種類や量を調節していく.
◎小児の便秘では,早期の診断や十分な治療が行われないと,悪循環によってより頑固な便秘に進展することも少なくない.

参考文献

1)Di Lorenzo C:Pediatric anorectal disorders. Gastroenterol Clin North Am 30:269-287, 2001
2)Hyman PE, et al:Childhood functional gastrointestinal disorders;Neonate/toddler. Gastroenterology 130:1519-1526, 2006
3)日本小児栄養消化器肝臓学会,日本小児消化管機能研究会(編):小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン,診断と治療社,2013
4)厚生労働省:平成27年度乳幼児栄養調査結果の概要,2016 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000134208.html(2020年5月閲覧)
5)清水俊明:便秘.五十嵐隆(編):小児科診療ガイドライン(第4版),pp11-15,総合医学社,2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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