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文献詳細

雑誌文献

medicina57巻9号

2020年08月発行

文献概要

特集 患者満足度の高い便秘診療 さまざまなケースへの対応

慢性腎臓病(CKD)・透析患者における便秘

著者: 髙島弘至1 阿部雅紀1

所属機関: 1日本大学医学部内科学系腎臓高血圧内分泌内科学分野

ページ範囲:P.1552 - P.1556

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Point
◎透析患者では便秘の頻度は高く,約半数以上に認める.
◎透析患者は透析による除水や水分摂取制限,食物繊維摂取不足,薬の副作用,運動量低下などの影響から便秘になりやすい状態にある.
◎便秘は慢性腎臓病(CKD)発症率や心血管疾患の発症への関連が示唆されており,早期の適切な対応とコントロールを行うことが重要である.
◎便秘治療薬として,便を軟化する下剤(浸透圧性下剤,上皮機能変容薬)が推奨されており,刺激性下剤においては短期使用や頓用を考慮する.また規則正しい生活や食事,運動習慣,排便習慣などを取り入れる必要がある.

参考文献

1)厚生労働省:平成28年国民生活基礎調査,2017
2)新田孝作,他:わが国の慢性透析療法の現況(2018年12月31日現在).透析会誌52:679-754, 2019
3)西原 舞,他:透析患者の便秘症についての実態調査.透析会誌37:1887-1892, 2004
4)Yasuda G, et al:Prevalence of constipation in continuous ambulatory peritoneal dialysis patients and comparison with hemodialysis patients. Am J Kidney Dis 39:1292-1299, 2002
5)三島英換,阿部高明:見えてきた腸腎連関の存在.日内会誌106:919-925, 2017
6)Sumida K, et al:Constipation and incident CKD. J Am Soc Nephrol 28:1248-1258, 2017
7)Honkura K, et al:Defecation frequency and cardiovascular disease mortality in Japan;The Ohsaki cohort study. Atherosclerosis 246:251-256, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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