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特集 腎疾患—エキスパートへの質問で学ぶ診療のキホンと最新情報 腫瘍・血液疾患とその周辺疾患と腎臓
onconephrologyとは何か,またがん薬物療法における腎機能の正しい評価法と薬物投与量の調節の仕方を教えてください
著者: 和田健彦1
所属機関: 1東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科
ページ範囲:P.1595 - P.1599
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◎onconephrologyは,がん患者にみられる腎臓の諸問題,腎臓病患者に発生するがんの諸問題に関する幅広い分野を取り扱う新しい学際的領域である.
◎腎機能障害患者に対して薬剤の効果を最大限に引き出しつつ安全に抗がん薬を投与するために,薬物動態および主要な排泄経路となる腎臓の機能を正確に評価する方法を知り,状況に応じて使い分けることができるとよい.
◎抗がん薬には体格を考慮した投与量が設定されているものと,そうでないものが存在し,それぞれの場合に用いる腎機能評価法が異なることに注意が必要である.
◎onconephrologyは,がん患者にみられる腎臓の諸問題,腎臓病患者に発生するがんの諸問題に関する幅広い分野を取り扱う新しい学際的領域である.
◎腎機能障害患者に対して薬剤の効果を最大限に引き出しつつ安全に抗がん薬を投与するために,薬物動態および主要な排泄経路となる腎臓の機能を正確に評価する方法を知り,状況に応じて使い分けることができるとよい.
◎抗がん薬には体格を考慮した投与量が設定されているものと,そうでないものが存在し,それぞれの場合に用いる腎機能評価法が異なることに注意が必要である.
参考文献
1)和田健彦(監訳),井上美貴(訳):オンコネフロロジー がんと腎臓病学・腎疾患と腫瘍学,メディカル・サイエンス・インターナショナル,2017
2)Cortazar FB, et al:Clinical features and outcomes of immune checkpoint inhibitor-associated AKI;A multicenter study. J Am Soc Nephrol 31:435-446, 2020
3)Eremina V, et al:VEGF inhibition and renal thrombotic microangiopathy. N Engl J Med 358:1129-1136, 2008
4)Matsuo S, et al:Revised equations for estimated GFR from serum creatinine in Japan. Am J Kidney Dis 53:982-992, 2009
5)日本腎臓学会,日本癌治療学会,日本臨床腫瘍学会,日本腎臓病薬物療法学会(編):がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2016,ライフサイエンス出版,2016
6)日本腎臓学会:CKD診療ガイド2012,東京医学社,2012
7)Cockcroft DW, et al:Prediction of creatinine clearance from serum creatinine. Nephron 16:31-41, 1976
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