medicina58巻12号

2021年11月発行

特集 外来で役立つAha!クエスチョン—この症状で、次は何を聞く？ 腹部

急性の上腹部痛

著者： 横江正道¹

所属機関： ¹日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院総合内科

ページ範囲：P.2015 - P.2018

症例
65歳男性
現病歴　昨日の夕食後からみぞおちの辺りが痛くなり，一時的に右側の痛みが強くなった感じがしたが，その後は左側にも痛みがあり，一度，嘔吐した．その後も上腹部が持続的に痛くなり，夜は眠れず，次第に耐えられなくなったため，朝一番で内科外来を受診．発熱はなく，血圧，脈拍，呼吸数などバイタルは安定している．排便あり（普通便），下痢なし，放屁あり．

参考文献

1）白子隆志，他：上腹部痛の患者さんが来たら．臨床研修プラクティス2：81-90, 2005

2）和足孝之，他：全国の美味しい特産品と影に潜む食中毒．medicina 57：1311-1315, 2020

3）横江正道：発症メカニズムから考える消化器診療—あるある症状にキレキレの対応をしよう！，日本医事新報社，2019

4）横江正道，野口善令：腹痛．レジデントノート12：1569-1578, 2010

5）小林健二：Step up腹痛診察—49歳男性，心窩部痛．medicina 51：542-546, 2014

6）Irving HM, et al：Alcohol as a risk factor for pancreatitis. A systematic review and meta-analysis. JOP 10：387-392, 2009

7）横江正道：急性胆囊炎の発症メカニズム．臨床外科74：158-160, 2019

8）横江正道：消化管出血．レジデントノート16：872-880, 2014

9）横江正道，石川　清：下痢の患者さんが来たら．臨床研修プラクティス3：113-121, 2006

10）横江正道：この1冊で極める腹痛の診断学，文光堂，2020