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文献概要
特集 血液疾患をプライマリ・ケアではどこまで診て,どのように専門医と連携をとるべきか? 検査の解釈
免疫電気泳動・遊離軽鎖の見かた
著者: 原田健右1
所属機関: 1富山大学附属病院検査・輸血細胞治療部
ページ範囲:P.2110 - P.2113
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◎血清総蛋白は,アルブミンと免疫グロブリンの挙動を中心に評価する.
◎免疫グロブリンの増加は,蛋白分画検査によってスクリーニングし,多クローン性増加によるものか単クローン性増加(Mピークの出現)によるものかを鑑別する.
◎Mピークを認めたら,免疫電気泳動法や免疫固定法によって単クローン性の免疫グロブリン増加であることを確認し,M蛋白の種類を同定する.
◎蛋白分画や免疫固定法に加えて,遊離軽鎖(FLC)κ/λ比を評価することで,高い感度でB細胞/形質細胞増殖性疾患を診断することができる.
◎血清総蛋白は,アルブミンと免疫グロブリンの挙動を中心に評価する.
◎免疫グロブリンの増加は,蛋白分画検査によってスクリーニングし,多クローン性増加によるものか単クローン性増加(Mピークの出現)によるものかを鑑別する.
◎Mピークを認めたら,免疫電気泳動法や免疫固定法によって単クローン性の免疫グロブリン増加であることを確認し,M蛋白の種類を同定する.
◎蛋白分画や免疫固定法に加えて,遊離軽鎖(FLC)κ/λ比を評価することで,高い感度でB細胞/形質細胞増殖性疾患を診断することができる.
参考文献
1)藤田清貴:臨床検査で遭遇する異常蛋白質 基礎から発見・解析法まで,医歯薬出版,2010
2)山田俊幸:M蛋白;免疫固定法.キャピラリー電気泳動法の導入.臨床病理68:346-350, 2020
3)東田修二:M蛋白の検査の現状と適切な利用法.日臨検自動化会誌41:259-263, 2016
4)Katzmann JA, et al:Serum reference intervals and diagnostic ranges for free kappa and free lambda immunoglobulin light chains;Relative sensitivity for detection of monoclonal light chains. Clin Chem 48:1437-1444, 2002
5)Hutchison CA, et al:Quantitative assessment of serum and urinary polyclonal free light chains in patients with chronic kidney disease. Clin J Am Soc Nephrol 6:1684-1690, 2008
6)Rajkumar SV, et al:International Myeloma Working Group updated criteria for the diagnosis of multiple myeloma. Lancet Oncol 15:e538-548, 2014
7)Kyrtsonis MC, et al:Prognostic value of serum free light chain ratio at diagnosis in multiple myeloma. Br J Haematol 137:240-243, 2007
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