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特集 血液疾患をプライマリ・ケアではどこまで診て,どのように専門医と連携をとるべきか? 診断・治療方針決定のために専門医へ速やかに紹介することが望ましい場合
成人発症の関節内・筋肉内出血
著者: 德川多津子1
所属機関: 1兵庫医科大学病院血液内科
ページ範囲:P.2163 - P.2166
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◎関節内・筋肉内出血などの深部出血では,まず凝固系・線溶系の異常を疑って凝血学的スクリーニングを行う.
◎出血症状の既往と家族歴,基礎疾患および服薬歴の確認とPT(プロトロンビン時間),APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)の結果を基に,鑑別疾患を挙げる.
◎PT,APTT延長時の簡易的な鑑別にクロスミキシング試験の施行も考慮する.
◎教科書的なデータ異常と実臨床のデータは乖離することがある.
◎外傷時,処置・手術時の止血困難や後出血,女性の月経過多も止血異常による症状の可能性があるため,反復する際には精査を行う.
◎関節内・筋肉内出血などの深部出血では,まず凝固系・線溶系の異常を疑って凝血学的スクリーニングを行う.
◎出血症状の既往と家族歴,基礎疾患および服薬歴の確認とPT(プロトロンビン時間),APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)の結果を基に,鑑別疾患を挙げる.
◎PT,APTT延長時の簡易的な鑑別にクロスミキシング試験の施行も考慮する.
◎教科書的なデータ異常と実臨床のデータは乖離することがある.
◎外傷時,処置・手術時の止血困難や後出血,女性の月経過多も止血異常による症状の可能性があるため,反復する際には精査を行う.
参考文献
1)家子正裕:クロスミキシング試験を臨床に活かすには.医療と検機器・試薬35:867-872, 2012
2)DIC診断基準作成委員会:日本血栓止血学会DIC診断基準 2017年版.日血栓止血会誌28:369-391, 2017
3)酒井道生,他:後天性血友病A診療ガイドライン—2017年改訂版.日血栓止血会誌28:715-747, 2017
4)藤井輝久,他:インヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン—2013年改訂版.日血栓止血会誌24:619-639, 2013
5)酒井道生,他:インヒビター保有先天性血友病患者に対する止血治療ガイドライン—2103年改訂版.日血栓止血会誌24:640-658, 2013
(エミシズマブ)使用について.日血栓止血会誌31:93-104, 2020
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