文献詳細
文献概要
特集 血液疾患をプライマリ・ケアではどこまで診て,どのように専門医と連携をとるべきか? 専門医の診断・治療後に一般内科医,プライマリ・ケア医との連携を行う場合
造血不全(MDS・AA),ITPに対してプライマリ・ケア医が実施できる治療・経過観察
著者: 町田真一郎1
所属機関: 1東海大学医学部付属病院血液腫瘍内科
ページ範囲:P.2198 - P.2201
文献購入ページに移動Point
◎骨髄異形成症候群は,高齢者の発症頻度が高いため専門施設への通院が困難な例も多く,輸血,感染の初期対応,ネスプ® 投与などをプライマリ・ケア医へ依頼するケースが想定される.
◎再生不良性貧血においては,感染,輸血以外にシクロスポリンによる腎毒性,高血圧をフォローし,再発や他疾患への移行にも注意する.
◎特発性血小板減少性紫斑病では,ピロリ菌除菌,ステロイド長期投与と脾摘に伴う合併症のフォローが重要である.
◎3疾患とも輸血を必要とすることがあるが,それぞれの症例に応じた輸血のトリガーを血液専門医と相談して決定する.
◎骨髄異形成症候群は,高齢者の発症頻度が高いため専門施設への通院が困難な例も多く,輸血,感染の初期対応,ネスプ® 投与などをプライマリ・ケア医へ依頼するケースが想定される.
◎再生不良性貧血においては,感染,輸血以外にシクロスポリンによる腎毒性,高血圧をフォローし,再発や他疾患への移行にも注意する.
◎特発性血小板減少性紫斑病では,ピロリ菌除菌,ステロイド長期投与と脾摘に伴う合併症のフォローが重要である.
◎3疾患とも輸血を必要とすることがあるが,それぞれの症例に応じた輸血のトリガーを血液専門医と相談して決定する.
参考文献
1)Greenberg PL, et al:International scoring system for evaluating prognosis in myelodysplastic syndromes. Blood 89:2079-2088, 1997
2)Greenberg P, et al:Revised international prognostic scoring system for myelodysplastic syndromes. Blood 120:2454-2465, 2012
3)宮崎泰司,他:骨髄異形成症候群(MDS).日本血液学会(編):造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版,pp 144-164,金原出版,2018
4)Jang JH, et al:A randomized controlled trial comparing darbepoetin alfa doses in red blood cell transfusion-dependent patients with low- or intermediate-1 risk myelodysplastic syndromes. Int J Hematol 102:401-412, 2015
5)中尾眞二,他:再生不良性貧血診療の参照ガイド令和1年改訂版.厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 特発性造血障害に関する調査研究班,2020
6)柏木浩和,他:成人特発性血小板減少性紫斑病治療の参照ガイド2019改訂版.臨床血液60:877-896, 2019
感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版,先端医学社,2016
8)Ito T, et al:Potential role of extracellular vesicle-mediated antigen presentation in Helicobacter pylori hypersensitivity during eradication therapy. J Allergy Clin Immunol 142:672-676, 2018
9)Sinwar PD:Overwhelming post splenectomy infection syndrome-review study. Int J Surg 12:1314-1316, 2014
10)米村雄士,他:科学的根拠に基づいた赤血球製剤の使用ガイドライン改訂第2版.日本輸血細胞治療学会誌64:688-699, 2018
11)高見昭良,他:科学的根拠に基づいた血小板製剤の使用ガイドライン2019年改訂版.日本輸血細胞治療学会誌65:544-561, 2019
掲載誌情報