icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina58巻3号

2021年03月発行

文献概要

特集 いまさら聞けない! 肝胆膵疾患—みなさんのギモンに答えます 胆道系疾患

原発性硬化性胆管炎とIgG4関連胆管炎の鑑別

著者: 岡崎和一1 池浦司2 高岡亮2

所属機関: 1関西医科大学香里病院 2関西医科大学内科学第三講座

ページ範囲:P.478 - P.484

文献購入ページに移動
 硬化性胆管炎(sclerosing cholangitis:SC)は,胆管に炎症による硬化性変化を起こす疾患の総称である.原因不明ではあるが肝内外胆管の慢性炎症と線維化による胆管狭窄により閉塞性黄疸をきたす1次性SCと,種々の原因で引き起こされる2次性SCに分類される(表1).
 前者には,従来,原発性硬化性胆管炎1)(primary sclerosing cholangitis:PSC)が分類されてきたが,近年,新しい疾患として認められつつあるIgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-related sclerosing cholangitis:IgG4-SC)もこの範疇に入る.後者には,後天性免疫不全症候群(AIDS)の胆管障害,胆管悪性腫瘍(PSC診断後および早期癌は例外),胆道の手術や外傷,総胆管結石,先天性胆道異常,腐食性硬化性胆管炎,胆管の虚血性狭窄,floxuridine動注などによる胆管障害や狭窄がある.

参考文献

1)LaRusso NF, et al:Current concepts;Primary sclerosing cholangtis. N Engl J Med 310:899-903, 1984
2)Nakazawa T, et al:Cholangiography can discriminate sclerosing cholangitis with autoimmune pancreatitis from primary sclerosing cholangitis. Gastrointest Endosc 60:937-944, 2004
3)神澤輝実,他:IgG4関連硬化性胆管炎.胆道25:86-93, 2011
4)Hamano H, et al:High serum IgG4 cncentrations in patients with sclerosing pancreatitis. N Engl J Med 344:732-738, 2001
5)厚生労働省IgG4関連全身硬化性疾患の診断法の確立と治療方法の開発に関する研究班,厚生労働省難治性の肝胆道疾患に関する調査研究班,日本胆道学会:IgG4関連硬化性胆管炎臨床診断基準2012.胆道26:59-63, 2012
6)日本膵臓学会・厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班:自己免疫性膵炎診療ガイドライン 2013.膵臓28:715-784, 2013
7)中沢貴宏:胆道専門医講座 硬化性胆管炎の診断.胆道30:787-798,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら