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文献詳細

雑誌文献

medicina58巻5号

2021年04月発行

文献概要

特集 その考えはもう古い!—最新・感染症診療 コラム

5 Days:感染症教育を1週間で

著者: 伊東完1

所属機関: 1筑波大学附属病院病院総合内科

ページ範囲:P.641 - P.643

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 古武術の世界に“相心”という剣技がある.自分と相手が同じ戦略を元に,螺旋の足さばきで斬り結ぶ.この美しい剣技は,互いの気の流れが同調していなければ決して成立することのない,洗練された武士の嗜みである.教育も同様,教える側と教えられる側の意気の投合が理想的である.そのためには,まず教える側が「教え育む」という意識を捨て1),共に学ぶつもりで講義に臨むとよい.
 教えられる側が楽しく学ぶには,教える側も楽しむ必要がある.教える側は,知識だけでなく知識に対する独自の解釈をもち,その解釈が誤っていないことを,知識をアップデートしながら絶えず確認し続けていかねばならない2).畢竟,1つの知識を伝えるには10の背景知識が必要になる.ただし,自身のもつ“10の知識”を一度に伝えてもいけない.この加減,つまりは相手への思いやりが,講義での意気投合には不可欠である.

参考文献

1)福沢諭吉:文明教育論. https://www.aozora.gr.jp/cards/000296/files/50553_37053.html(2020年9月閲覧)
2)佐藤一斎,他:言志四録(二).講談社,1979
3)Ligon BL:Sir Alexander Fleming;Scottish researcher who discovered penicillin. Semin Pediatr Infect Dis 15:58-64, 2004
4)Harrison CJ, et al:Cephalosporins;A review. Pediatr Rev 29:264-273, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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