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文献詳細

雑誌文献

medicina58巻7号

2021年06月発行

特集 “のど・はな・みみ”の内科学

口腔

舌痛症と舌炎の鑑別と治療

著者: 井野千代徳1 田辺正博1

所属機関: 1小松病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.982 - P.989

文献概要

Point
◎舌痛症はストレス性疾患であり,症状の特徴は食事中に症状を自覚しないことである.舌周囲に症状を訴える場合もある.患者は異常でない粘膜所見を「異常」と確信をもって受診する場合が少なくない.
◎舌乳頭の萎縮を認める舌炎は鉄欠乏,ビタミンB12欠乏,葉酸欠乏で起こる.舌の痛みは食事中に憎悪することが多く,痛みは舌周囲には認めない.鉄欠乏由来の舌炎では口角炎を伴うことがある.
◎アフタ性口内炎の多くは年に3回以上発症する反復性アフタ性口内炎(RAS)である.膠原病ではBehçet病と全身性エリテマトーデス(SLE)に注意する.前者は口内病変は100%で初発後10年以上を経て診断されることも多い.後者は口内病変は50%で痛みを伴わないことがある.
◎口内炎はその形態で3つに分けることができる.通常の口内炎は中心が白く,周囲が赤い.中心が赤く,周囲が白い口内炎は難治性である.
◎舌痛症,表在性舌炎,アフタ性口内炎はいずれもストレスを背景にもつ例があり,再発・再燃を繰り返すことがある.治療にあたっては患者との信頼関係の構築が必要となる.

参考文献

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3)宮田 学:諸疾患における亜鉛測定の意義.亜鉛栄養治療1:5-25, 2010
4)井野千代徳,田邉正博:耳鼻咽喉科における高齢者うつの心身診療.JOHNS 37:411-416. 2021.
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11)松本あゆみ,芦谷道子,他:患者が訴える口内の「異変」について.耳鼻と臨53:242-250, 2007
12)井野千代徳,他:舌痛症と脳腫瘍.耳鼻と臨,投稿中(7月掲載予定)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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