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書評
—腎臓病SDM推進協会 編—慢性腎臓病患者とともにすすめる—SDM実践テキスト—患者参加型医療と共同意思決定
著者: 福井次矢1
所属機関: 1卒後臨床研修評価機構
ページ範囲:P.995 - P.995
文献購入ページに移動 EBM(evidence-based medicine,根拠に基づいた医療)という言葉が医療界で初めて提唱されたのが1992年.提唱者を個人的に知っていた私は,その直後から,わが国においてEBMの普及に努めてきた.そのような私にとって,心の重荷を下ろし,希望の灯と映ったのが,本書である.
理由は,次のとおりである.EBMとは「最も信頼できる研究成果(エビデンス)を知ったうえで,患者に特有の病状や意向・価値観(個別性),医師の経験や医療環境(状況)に配慮して医療を行うこと」であり,最も信頼できるエビデンスを踏まえる点に最大の特徴がある.今や,わが国においても,診療現場では当然のごとくエビデンスについての議論が正しく行われ,エビデンスに基づいた診療ガイドラインも普及し,医療の質が向上したことは疑いがないところである.ところが,私自身,当時新規性のあったエビデンスに注意を引き付けようとするあまり,「患者に特有の病状や意向・価値観に配慮する」という部分の実践手順を普及しようとする意欲には欠けていて,EBM普及の達成感とは裏腹に,何とも言えない心の重荷になっていたところである.
理由は,次のとおりである.EBMとは「最も信頼できる研究成果(エビデンス)を知ったうえで,患者に特有の病状や意向・価値観(個別性),医師の経験や医療環境(状況)に配慮して医療を行うこと」であり,最も信頼できるエビデンスを踏まえる点に最大の特徴がある.今や,わが国においても,診療現場では当然のごとくエビデンスについての議論が正しく行われ,エビデンスに基づいた診療ガイドラインも普及し,医療の質が向上したことは疑いがないところである.ところが,私自身,当時新規性のあったエビデンスに注意を引き付けようとするあまり,「患者に特有の病状や意向・価値観に配慮する」という部分の実践手順を普及しようとする意欲には欠けていて,EBM普及の達成感とは裏腹に,何とも言えない心の重荷になっていたところである.
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