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文献詳細

雑誌文献

medicina58巻7号

2021年06月発行

文献概要

特集 “のど・はな・みみ”の内科学 咽喉頭

嗄声

著者: 許斐氏元1

所属機関: 1声とめまいのクリニック二子玉川耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.996 - P.1000

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Point
◎声帯の診察は,喉頭内視鏡・ストロボスコピーがないと難しいが,嗄声を聞いて確認・共有することで,まずは患者の安心が得られる.
◎嗄声発症のきっかけ・音声の使用状況や患者背景・音声に関連する既往歴や内服薬の確認が重要であり,音声疾患の推測や患者のマネジメントに有用である.
◎職業的な音声使用者は速やかな治療を要するため,早期に音声医に紹介すべきである.また,会話音声がほぼ正常である軽微な音声障害ほど診断が難しいので,音声専門施設での診察が望ましい.
◎地域のなかでストロボスコピー検査があり,音声診療を得意とする耳鼻咽喉科をあらかじめ把握しておく.
◎嗄声で緊急性が高いのは吸気性喘鳴であり,声門閉鎖による窒息回避のために気管切開を要することがある.速やかな診断・治療を要する疾患は,喉頭癌,喉頭乳頭腫,声帯麻痺(の原疾患),喉頭外傷などである.

参考文献

1)Shwartz SR, et al:Clinical practice guideline;Hoarseness(dysphonia). Otolaryngol Head Neck Surg 141:S1-31, 2009
2)Roy N,et al:Voice disorders in the general population;Prevalence, risk factors, and occupational impact. Laryngoscope 115:1988-1995, 2005
3)庄野佐和子,他:人間ドックを受診した公立学校教師における嗄声症状の自覚頻度の検討.音声言語医学40:265-273, 2010
4)日本音声言語医学会,日本喉頭科学会(編):音声障害診療ガイドライン2018年版,金原出版,2018
5)岡田 章,他:吸入ステロイド薬の副作用である嗄声発現の要因解析.医療薬学40:716-725, 2014
6)Chandra MI:Vocal fold paresis. Otolaryngol Clin N Am 52:637-648, 2019
7)許斐氏元,他:職業歌手の声帯微小病変に対する喉頭微細手術の適応と効果について.音声言語59:226-236, 2018
8)許斐氏元,他:予防医学から見た音声障害.JOHNS 25:1807-1811, 2009
9)渡邊雄介:専門医が教える声が出にくくなったら読む本,p 206,あさ出版,2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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