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文献詳細

雑誌文献

medicina58巻7号

2021年06月発行

文献概要

特集 “のど・はな・みみ”の内科学 耳

耳性めまい

著者: 船曳和雄1

所属機関: 1船曳耳鼻咽喉科・めまいクリニック

ページ範囲:P.1048 - P.1051

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Point
◎耳性めまいは各種疾患ごとに特徴的な病歴があり,問診は極めて重要となる.
◎良性発作性頭位めまい症(BPPV)は,後半規管型,外側半規管型,長脚型,短脚型,クプラ型およびそれらの合併などvariationが多い.これらの診断は頭位眼振検査で行う.
◎めまい疾患で最も頻度が高いのはBPPVであり,その治療は半規管に迷入した耳石をもとの耳石器に戻す理学療法である.
◎内耳機能評価は,head impulse test,回転検査など頭部運動に対して起こる眼球運動(前庭眼反射)の定性的観察または定量的計測で行う.
◎めまい以外の神経学的所見に乏しい例でも歩行障害があれば,小脳虫部病変など脳血管障害の可能性を念頭に置く必要がある.

参考文献

1)関根和教,他:大学病院におけるめまい症例の統計的検討とめまい疾患の診断的基準の問題点.日耳鼻108:842-849, 2005
2)高橋正紘:高齢者におけるめまいの背景と対策.Equilibrium Res 75:498-504, 2016
3)鈴木 衛:良性発作性頭位めまい症—診断と治療の進歩.臨床神経51:1089-1091, 2011
4)長沼英明:メニエール病とVasopressin系.Equilibrium Res 72:259-267, 2013
5)Lim DJ:Formation and fate of the otoconia. Ann Otol Rhinol Laryngol 82:23-35, 1973
6)船曳和雄:回転刺激検査—その歴史的背景と応用について.Equilibrium Res 79:507-516, 2020
7)Kattah JC et al:HINTS to diagnose stroke in the acute vestibular syndrome. Stroke 40:3504-3510, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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