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特集 ジェネラリスト・漢方—とっておきの漢方活用術 領域別おすすめ漢方治療
消化器内科②—下痢,便秘,過敏性腸症候群
著者: 村井政史1
所属機関: 1医療法人潤和会札幌ひばりが丘病院
ページ範囲:P.1144 - P.1150
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◎下痢,便秘,過敏性腸症候群のそれぞれに,西洋医学的病名から頻用される漢方薬がある.
◎漢方的な考え方である陰陽(冷えている陰証か熱がある陽証か)や,虚実(元気や体力が低下している虚証か元気や体力が充実している実証か)も意識すると,より高い頻度で適切な漢方薬を選択することができる.
◎西洋薬では治療が難しい場合でも,漢方薬が有効な場合がしばしばある.
◎下痢,便秘,過敏性腸症候群のそれぞれに,西洋医学的病名から頻用される漢方薬がある.
◎漢方的な考え方である陰陽(冷えている陰証か熱がある陽証か)や,虚実(元気や体力が低下している虚証か元気や体力が充実している実証か)も意識すると,より高い頻度で適切な漢方薬を選択することができる.
◎西洋薬では治療が難しい場合でも,漢方薬が有効な場合がしばしばある.
参考文献
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