medicina58巻8号

2021年07月発行

特集 ジェネラリスト・漢方—とっておきの漢方活用術 領域別おすすめ漢方治療

皮膚科—皮膚瘙痒症，湿疹

著者： 麻生悠子¹

所属機関： ¹東京女子医科大学附属東洋医学研究所

ページ範囲：P.1207 - P.1211

Point
◎皮膚瘙痒症に，当帰飲子，八味地黄丸や牛車腎気丸を用いることで症状が軽減することがある．
◎湿疹には標準治療に漢方薬を加えると効果が得られる場合がある．
◎湿疹に対する代表的な漢方薬であり，蕁麻疹にも用いられることが多い消風散と十味敗毒湯について紹介する．

参考文献

1）大熊守也，他：当帰飲子（ツムラ）の瘙痒症に対する臨床効果．皮膚27：1107-1113, 1985

2）飯田利博，他：老人性皮膚瘙痒症に対する当帰飲子の内服と甘草抽出エキス配合入浴剤の併用効果．日東医誌47：35-41, 1996

3）石岡忠夫，他：老人性皮膚搔痒症に対する八味地黄丸とフマル酸ケトフェンの薬効比較．新薬と臨41：2603-2608, 1992

4）五大学共同研究班：老人性皮膚瘙痒症に対するTJ-15, TJ107の使用経験．西日皮53：1234-1241, 1991

5）橋本喜夫：皮膚科における牛車腎気丸の応用．漢方と最新治療7：333-337, 1999

6）赤松浩彦，他：血液透析患者の痒みに対する黄連解毒湯の効果．漢方と最新治療13：75-79, 2004

7）川嶋　朗，他：維持透析患者の合併症に対する漢方薬の応用．日透析医会誌23：195-200, 2008

8）大和田章，他：保存期腎不全患者の瘙痒症に対する黄連解毒湯の効果．腎と透析44：283-286, 1998

9）河合弘進，他：透析瘙痒症に対する黄連解毒湯の効果の検討．臨床透析11：389-396, 1995

10）大塚敬節，他：漢方診療医典 第6版．pp 360-361，南山堂，2001

11）稲木一元：臨床医のための漢方薬概論．pp 366-369，南山堂，2014

12）Yamashita H, et al：Assessment of relief from pruritus due to Kampo medicines by using murine model of atopic dermatitis. J Trad Med 30：114-123, 2013

13）夏秋　優：【皮膚科漢方処方ベストマッチ22】十味敗毒湯（抗炎症・抗化膿）．MB Derma 211：25-29, 2013

14）木村太紀，他：各種湿疹に対する十味敗毒湯の治療効果．順天堂医学31：584-587, 1985

15）小林衣子，他：慢性湿疹，アトピー性皮膚炎に対する十味敗毒湯の治療効果．皮膚科における漢方治療の現況5：25-34, 1994