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文献詳細

雑誌文献

medicina58巻9号

2021年08月発行

文献概要

特集 日常診療で内分泌疾患を見逃さない! 頻度が高い内分泌代謝異常 【薬剤による内分泌異常】

免疫チェックポイント阻害薬による内分泌異常

著者: 越智可奈子1 大塚文男2

所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科医療教育センター 2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科総合内科学

ページ範囲:P.1340 - P.1344

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Point
◎免疫チェックポイント阻害薬による内分泌免疫関連有害事象として,下垂体機能低下症,甲状腺機能異常,副腎皮質機能低下症,副甲状腺機能低下症,1型糖尿病が挙げられる.
◎免疫チェックポイント阻害薬による内分泌障害として最も頻度が高いものは甲状腺機能異常であり,破壊性機序による甲状腺中毒症とそれに続く甲状腺機能低下症の頻度が高い.
◎抗CTLA-4抗体の投与中は下垂体機能低下症に留意する必要があり,副腎クリーゼが疑われる症例においては速やかにヒドロコルチゾン投与を検討する.

参考文献

1)Brahmer JR, et al:Management of immune-related adverse events in patients treated with immune checkpoint inhibitor therapy;American Society of Clinical Oncology clinical practice guideline. J Clin Oncol 36:1714-1768, 2018
2)小林朋子,他:免疫チェックポイント阻害薬による内分泌障害.診断と治療106:95-100, 2018
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4)Ferrari SM, et al:Thyroid disorders induced by checkpoint inhibitors. Rev Endocr Metab Disord 4:325-333, 2018
5)有馬 寛,他:日本内分泌学会臨床重症課題 免疫チェックポイント阻害薬による内分泌障害の診療ガイドライン.日内分泌会誌94(Suppl):1-11, 2018
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7)岩間信太郎,有馬 寛:免疫チェックポイント阻害薬による内分泌副作用の臨床とそのメカニズム.日臨免疫会誌40:90-94, 2017
8)Yamamoto K, et al:Acute pancreatitis without abdominal pain induced by administration of nivolumab and ipilimumab. Mod Rheumatol Case Rep, 2021(online ahead of print)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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