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文献詳細

雑誌文献

medicina58巻9号

2021年08月発行

文献概要

特集 日常診療で内分泌疾患を見逃さない! 代表的内分泌疾患 【下垂体疾患】

下垂体機能低下症—食思不振,体重減少,低Na血症など,症候の集積を見逃さない!

著者: 岡田定規1 高橋裕1

所属機関: 1奈良県立医科大学糖尿病・内分泌内科学講座

ページ範囲:P.1365 - P.1369

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Point
◎頭蓋内器質的疾患,手術・放射線療法,頭部外傷,周産期異常,小児がんや分娩時大量出血の既往,ステロイド・免疫チェックポイント阻害薬の薬剤歴に注意する.
◎下垂体ホルモンと対応する末梢ホルモンを同時に測定し,疑わしい場合には機能(負荷)試験を行う.
◎続発性副腎機能低下症と甲状腺機能低下症の合併時にはヒドロコルチゾン補充を先行する.
◎副腎不全では副腎クリーゼ予防のために,患者および家族に対するストレス時のヒドロコルチゾン増量の指導が必須である.
◎性腺系および成長ホルモンの補充もQOL改善,合併症予防のために重要であり積極的に行う.

参考文献

1)須崎法幸:汎下垂体機能低下症.平田結喜緒,他(編):下垂体疾患診療マニュアル(改訂第2版),pp 180-183,診断と治療社,2016
2)堀口和彦,山田正信:中枢性甲状腺機能低下症.西川光重,他(編):甲状腺疾患診療マニュアル(改訂第3版),pp 108-110,診断と治療社,2020
3)厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業「間脳下垂体機能障害に関する調査研究」班,日本内分泌学会(編):間脳下垂体機能障害の診断と治療の手引き(平成30年度改訂).日内分泌会誌95:1-60, 2019 http://www.acromegaly-center.jp/medical/pdf/treatment_guidance.pdf(2021年6月閲覧)
4)片波見卓行,他:Sheehan症候群.平田結喜緒,他(編):下垂体疾患診療マニュアル(改訂第2版),pp 184-186,診断と治療社,2016
5)片上秀喜:リンパ球性下垂体炎—前葉炎を中心に.平田結喜緒,他(編):下垂体疾患診療マニュアル(改訂第2版),pp 187-191,診断と治療社,2016
6)Kobayashi T, et al:Pituitary dysfunction induced by immune checkpoint inhibitors is associated with better overall survival in both malignant melanoma and non-small cell lung carcinoma;A prospective study. J Immunother Cancer 8:e000779, 2020
7)立木美香,田上哲也:下垂体機能検査.平田結喜緒,他(編):下垂体疾患診療マニュアル(改訂第2版),pp 85-87,診断と治療社,2016
8)豊田長興,他:euthyroid sick syndrome.西川光重,他(編):甲状腺疾患診療マニュアル(改訂第3版),pp 121-123,診断と治療社,2020
9)日本内分泌学会:急性副腎皮質機能不全(副腎クリーゼ)時のヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム製剤の在宅自己注射指導管理料の適応取得について,2020 http://www.j-endo.jp/modules/news/index.php?content_id=63(2021年6月閲覧)
10)Ishii H, et al:Development and validation of a new questionnaire assessing quality of life in adults with hypopituitarism;Adult Hypopituitarism Questionnaire(AHQ). PLoS One 7:e44304, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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