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文献詳細

雑誌文献

medicina58巻9号

2021年08月発行

文献概要

特集 日常診療で内分泌疾患を見逃さない! 代表的内分泌疾患 【甲状腺疾患】

Basedow病以外の甲状腺機能亢進症—亜急性甲状腺炎,無痛性甲状腺炎,機能性結節

著者: 鈴木菜美1 吉原愛1

所属機関: 1伊藤病院内科

ページ範囲:P.1391 - P.1395

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Point
◎亜急性甲状腺炎は上気道感染から数週間後に発熱,前頸部痛を発症する例が多く,頸部痛は移動する(クリーピング現象).
◎亜急性甲状腺炎の治療の基本は安静であり,薬物治療ではプレドニゾロンが著効するが,漸減することが重要である.
◎無痛性甲状腺炎は甲状腺濾胞の破壊により突発する甲状腺中毒症で,産後の頻度が高く,薬剤との関連も多い.確定診断には甲状腺シンチグラフィが必要となるが,自然軽快が期待できる.
◎機能性結節は甲状腺結節が自律性にホルモンを産生することで生じる甲状腺機能亢進症で,多くは良性であるが悪性の場合もある.根治治療として,手術もしくは131I内用療法が選択肢となる.

参考文献

1)伊藤公一,杉野公則(編):甲状腺疾患を極める,pp154-157,新興医学出版社,2018
2)日本内分泌学会(編):内分泌代謝専門医研修ガイドブック,pp286-287,診断と治療社,2018
3)日本甲状腺学会(編):甲状腺疾患診断ガイドライン2013—亜急性甲状腺炎(急性期)の診断ガイドライン,2013 http://www.japanthyroid.jp/doctor/guideline/japanese.html#akyuu(2021年6月閲覧)
4)日本甲状腺学会(編):甲状腺疾患診断ガイドライン2013—無痛性甲状腺炎の診断ガイドライン,2013 http://www.japanthyroid.jp/doctor/guideline/japanese.html#mutsuu(2021年6月閲覧)
5)日本甲状腺学会(編):甲状腺結節取扱い診療ガイドライン2013,南江堂,2013
6)西川光重,他(編):甲状腺疾患診療マニュアル(改訂第3版),pp96-97,診断と治療社,2020
7)Yamauchi I, et al:Incidence, features, and prognosis of immune-related adverse events involving the thyroid gland induced by nivolmab. PLoS One 14:e0216954, 2019
8)日本内分泌学会(編):内分泌代謝専門医研修ガイドブック,pp288-289
9)2016 American Thyroid Association guidelines for diagnosis and management of hyperthyroidism and other causes of thyrotoxicosis
10)西川光重,他(編):甲状腺疾患診療マニュアル(改訂第3版),pp93-95
11)西川光重,他(編):甲状腺疾患診療マニュアル(改訂第3版),pp98-101

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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