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文献詳細

雑誌文献

medicina58巻9号

2021年08月発行

文献概要

特集 日常診療で内分泌疾患を見逃さない! 代表的内分泌疾患 【副甲状腺疾患・骨代謝異常】

【Column】局在不明の原発性副甲状腺機能亢進症の治療方針

著者: 竹内靖博1

所属機関: 1虎の門病院内分泌代謝科

ページ範囲:P.1418 - P.1419

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 原発性副甲状腺機能亢進症の有病率は米国カリフォルニア州の調査では女性で0.233%,男性で0.085%と推定されており1),内分泌疾患としては甲状腺機能低下症やBasedow病に次いで頻度の高いものである.なお,この調査では白人に比べてアジア人での頻度は低いとされている.現在,新規に診断される原発性副甲状腺機能亢進症の多くは無症状であり,無症候性原発性副甲状腺機能亢進症が大半である.このような場合,根治的な治療である責任病巣の副甲状腺摘除手術を推奨する条件についての国際的コンセンサスが提唱されている2).また,本症が関与するアウトカムとして重要な骨折発症に関しては,手術療法によるその抑制を支持する十分なデータが蓄積されつつある3〜5)
 その一方で,本症の長期的な生命予後に対する手術の効果については議論のあるところであり,少なくとも短期的にあるいは直接に生命予後に関与するという根拠はないため,手術の選択については患者の希望が大きく影響する.これらの背景を踏まえて,局在不明の原発性副甲状腺機能亢進症の治療方針について考えてみたい.

参考文献

1)Yeh MW, et al:Incidence and prevalence of primary hyperparathyroidism in a racially mixed population. J Clin Endocrinol Metab 98:1122-1129, 2013
2)Bilezikian JP, et al:Guidelines for the management of asymptomatic primaryhyperparathyroidism;Summary statement from the Fourth International Workshop. J Clin Endocrinol Metab 99:3561-3569, 2014
3)Vestergaard P, Mosekilde L:Cohort study on effects of parathyroid surgery on multiple outcomes in primary hyperparathyroidism. BMJ 327:530-534, 2003
4)Yeh MW, et al:The relationship of parathyroidectomy and bisphosphonates with fracture risk in primary hyperparathyroidism;An observational study. Ann Intern Med 164:715-723, 2016
5)Orr LE, et al:Skeletal effects of combined medical and surgical management of primary hyperparathyroidism. Surgery 167:144-148, 2020
6)Murakami N, et al:Hidden culprit of primary hyperparathyroidism. J Clin Endocrinol Metab 97:3410-3411, 2012
7)Tsvetov G, et al:Thiazide treatment in primary hyperparathyroidism;A new indication for an old medication? J Clin Endocrinol Metab 102:1270-1276, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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