medicina59巻1号

2022年01月発行

特集 クリニカルクエスチョンで学ぶ糖尿病治療薬—糖尿病治療の新しい潮流 現場の疑問を解決—療養指導編

Question 7　移行期医療で配慮すべきポイントは？

著者： 濱田淳平¹

所属機関： ¹愛媛大学大学院医学系研究科小児科学

ページ範囲：P.156 - P.158

Point
◎1型糖尿病では高等学校卒業時を成人科（内科）への移行時期とすることが多いが，2型糖尿病患児の移行期については，十分な議論はなされていない．
◎移行時期には患者の理解度に応じて，糖尿病療養指導士などのメディカルスタッフによる支援やチーム医療による心理サポートが必要である．
◎小児糖尿病キャンプは1型糖尿病患児の自立を促すだけでなく，2型糖尿病患児に対しても行動変容のきっかけとなる可能性があり勧められる．

参考文献

1）Blum RW：Transition to adult health care；Setting the stage. J Adolesc Health 17：3-5, 1995

2）浦上達彦，他：1型糖尿病における移行期医療の現状に関するアンケート調査—1型糖尿病移行期医療合同委員会報告．糖尿病 63：776-783, 2020

3）横谷 進，他：小児期発症疾患を有する患者の移行期医療に関する提言（解説）．日児誌118：98-106, 2014

4）南 昌江，他：小児・思春期糖尿病の小児科から内科への移行．内分泌糖尿代謝内科38：260-264, 2014

5）野本美佳，他：思春期・青年期糖尿病患者の成人型医療へのトランジションにおけるレディネスの実際；子どもと保護者の現状．小児看護44：1310-1316, 2021

6）薬師神裕子，他：小児糖尿病キャンプの必要性と成果に関する全国調査．糖尿病55：866-873, 2012

7）楢崎晃史，他：小児糖尿病患者の移行期医療コーディネーター制度．小児看護44：1317-1321, 2021