icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina59巻13号

2022年12月発行

文献概要

特集 令和の頭痛診療—プライマリ・ケア医のためのガイド 頭痛診療One-up

片頭痛予防療法の適応と既存薬の使い方

著者: 下畑敬子1 下畑享良2

所属機関: 1朝日大学病院麻酔科 2岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野

ページ範囲:P.2382 - P.2386

文献購入ページに移動
Point
◎予防療法は,急性期治療のみでは片頭痛による生活上の支障を十分改善できない場合に行われ,具体的には片頭痛発作が月2回以上,あるいは生活に支障をきたす頭痛が月3日以上ある患者,急性期治療薬が禁忌あるいは無効な場合,永続的な神経障害をきたすおそれのある特殊な片頭痛,薬剤の使用過多による頭痛が適応となる.
◎内服による予防療法には,ロメリジン,アミトリプチリン,バルプロ酸,プロプラノロールなどがある.共存症,妊娠の有無により選択する.エビデンスレベルによりグループ分けされている.
◎内服による予防薬は低用量から開始し,時間をかけ十分な用量まで増量する必要がある.そのため予防療法の効果判定は2〜3カ月を要し,有害事象がなければ6〜12カ月は継続する.片頭痛のコントロールが良好であれば漸減,可能であれば中止する.発作頻度の50%減少が治療評価の基準となる.

参考文献

1)GBD 2016 Disease and Injury Incidence and Prevalence Collaborators:Global, regional, and national incidence, prevalence, and years lived with disability for 328 diseases and injuries for 195 countries, 1990-2016;A systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016. Lancet 390:1211-1259, 2017
2)日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会(監),「頭痛の診療ガイドライン」作成委員会(編):頭痛の診療ガイドライン2021,医学書院,2021
3)Ailani J, et al:The American Headache Society Consensus Statement;Update on integrating new migraine treatments into clinical practice. Headache 61:1021-1039, 2021
4)Burch R:Preventive migraine treatment. Continuum(Minneap Minn)27:613-632, 2021
5)Bjørk MH, et al:Association of prenatal exposure to antiseizure medication with risk of autism and intellectual disability. JAMA Neurol 79:672-681, 2022
6)Pellesi L, et al:Dual therapy with anti-CGRP monoclonal antibodies and botulinum toxin for migraine prevention;Is there a rationale? Headache 60:1056-1065, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?