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文献詳細

雑誌文献

medicina59巻2号

2022年02月発行

文献概要

書評

—三潴 忠道 著—はじめての漢方診療 十五話 第2版[WEB動画付]/—三潴 忠道 著—はじめての漢方診療ノート 第2版 フリーアクセス

著者: 貝沼茂三郎1

所属機関: 1富山大学附属病院和漢診療科

ページ範囲:P.317 - P.317

 私が三潴忠道先生から『はじめての漢方診療 十五話』に書かれている内容について直接講義を受けたのは25年前のことである.当時の資料は現在の『はじめての漢方診療ノート』に掲載されている図表の一部が印刷されたものであり,三潴先生の診療が終わってから連夜直接講義を受けたことを今でも懐かしく覚えている.そして現在,私が漢方に傾倒するための基礎をしっかりと築くことができたのはこの連日の講義のおかげである.そのため,その時の講義内容が『はじめての漢方診療 十五話』という形で書籍になってから私は自身が行う勉強会のテキストとして本書を使用し,自分一人で読んだ回数も含めると相当な回数,この書籍にはお世話になってきた.そこで今回,どのように改訂されたのかわくわくしながら第2版を拝読した.
 通読してみてまず感じたことは初版では文面になく,勉強会で三潴先生から教えていただいたことが第2版では随所によりわかりやすく解説として加筆されていた.さらにA5判からB5判への変更,小見出し,キーワード,まとめがつくなどのレイアウトの変更もあり,解説者がいなくても独学で内容をより深く理解できるようになったと感じる.また三潴先生は漢方を広めるために西洋医学的な診断ならびに客観的な評価を重視しているが,その点が第2版でも反映されている.具体的には時代の流れに合わせて,また各専門領域の医師が見ても漢方薬の有用性を客観的に評価することができるよう,症例をいくつか差し替えている.この改訂もまたこれから漢方を学ぶものにとってはその理解を深めるために重要なことであると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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