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特集 意外と知らない? 外用薬・自己注射薬—外来診療での適“剤”適所 貼付薬
慢性疼痛(がん性・非がん性)での使い分け
著者: 安座間由美子1
所属機関: 1沖縄県立中部病院地域診療科・緩和ケア科
ページ範囲:P.332 - P.335
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◎本邦で慢性疼痛に使用可能な貼付薬には,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とブプレノルフィン,フェンタニルがある.
◎いずれの貼付薬も侵害受容性疼痛には良い適応であるが,慢性一次性疼痛での使用は推奨されていない.
◎慢性疼痛の種類によって保険適用が限られる薬剤もあるため,使用する症例を適切に選択する必要がある.
◎慢性疼痛の診療にあたっては,痛みをなくすことに執着せず,患者とともにQOLを重視した治療目標を設定する.
◎非がん性慢性疼痛にオピオイドを使用する場合は,乱用や依存に注意が必要であり,専門家による治療が望ましい.
◎本邦で慢性疼痛に使用可能な貼付薬には,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とブプレノルフィン,フェンタニルがある.
◎いずれの貼付薬も侵害受容性疼痛には良い適応であるが,慢性一次性疼痛での使用は推奨されていない.
◎慢性疼痛の種類によって保険適用が限られる薬剤もあるため,使用する症例を適切に選択する必要がある.
◎慢性疼痛の診療にあたっては,痛みをなくすことに執着せず,患者とともにQOLを重視した治療目標を設定する.
◎非がん性慢性疼痛にオピオイドを使用する場合は,乱用や依存に注意が必要であり,専門家による治療が望ましい.
参考文献
1)Bonica JJ:Importance of effective pain control. Acta Anesthesiol Scand 85(Suppl):1-16, 1987
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