icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina59巻4号

2022年04月発行

文献概要

増刊号 フィジカル大全 第7章 膠原病・筋骨格

肩関節疾患

著者: 斉藤究1

所属機関: 1さいとう整形外科リウマチ科

ページ範囲:P.223 - P.227

文献購入ページに移動
Point
☞患者の「肩が痛い」は解剖学的にどの部位が痛いのか考えながら診察と詳細な触診を進め,エコー下に圧痛点の触診を行うことで発痛源となる組織を絞り込む.
☞可動域制限は自動と他動で観察し,疼痛の出方も含めて鑑別する.他動的に可動域制限がなければ腱板断裂や神経根障害,末梢神経障害,腱板断裂,筋膜性疼痛症候群を考える.
☞他動的にも可動域制限が見られれば変形性肩関節症や凍結肩,筋膜性疼痛症候群を考える.
☞筋膜性疼痛症候群はあらゆる病態に併存して起こりうる.肩周囲の筋に筋硬結と圧痛を触診し,トリガーポイントを見つける.トリガーポイントへの生食によるハイドロリリースは即時的に痛みを改善し,可動域も広がる.
☞肩の痛みは肩甲上腕関節だけを見ていてはいけない.肩甲胸郭関節,鎖骨,体幹,股関節などの可動域制限は肩甲上腕関節のストレス要因となり,痛みの原因となる.

参考文献

1)Page P,他(著),小倉秀子(監訳):ヤンダアプローチ—マッスルインバランスに対する評価と治療,三輪書店,2013
2)千葉慎一(編):運動のつながりから導く肩の運動療法,文光堂,2017
3)Jafri MS:Mechanisms of myofascial pain. Int Sch Res Notices 2014:523924, 2014
4)松村将司,三木貴弘(編):適切な判断を導くための整形外科徒手検査法—エビデンスに基づく評価精度と検査のポイント,メジカルビュー社,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?