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文献詳細

雑誌文献

medicina59巻8号

2022年07月発行

文献概要

特集 日常診療に潜む臨床検査のピットフォールを回避せよ 総論

臨床検査における診断エラー

著者: 鋪野紀好12

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院地域医療教育学 2千葉大学医学部附属病院総合診療科

ページ範囲:P.1214 - P.1217

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診断プロセスにおける診断エラーの影響
 診断プロセスは大きく分けて,情報収集,情報統合・解釈,確定診断の一連の循環から形成されている(図1)1).この診断プロセスに基づき,医師は患者と診断に関する対話を行い,治療を行う.それがアウトカムとして正確かつタイムリーな診断となる場合もあれば,残念ながら診断エラーとなってしまうこともある.この診断エラーは患者のアウトカムや医療システムのアウトカムへ負の影響を及ぼしてしまう.
 米国の調査では一般外来の成人受診患者の約5%が診断エラーを経験していると報告されている2).年間の患者数に算出すると,約1,200万人が診断エラーを受けたことになり,診断エラーは決して「他人事」ではない.さらに本邦における医療訴訟のうち,診断エラーに関連した訴訟は約30%を占めており3),医療全体に大きな負のアウトカムを及ぼしていることがわかる.

参考文献

1)鋪野紀好:オーバービュー:「一般外来」における診断エラー.総合診療32:584-587,2022
2)Singh H, et al:The frequency of diagnostic errors in outpatient care;Estimations from three large observational studies involving US adult populations. BMJ Qual Saf. 23:727-731, 2014
3)Watari T, et al:Factors and impact of physicians' diagnostic errors in malpractice claims in Japan PLoS One 15:e0237145, 2020
4)Yamauchi Y, et al:Influence of psychiatric or social backgrounds on clinical decision making;A randomized, controlled multicentre study. BMC Med Educ 19:461, 2019
5)Mamede S, et al:Why patients' disruptive behaviours impair diagnostic reasoning;A randomised experiment. BMJ Qual Saf. 26:13-18, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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