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特集 日常診療に潜む臨床検査のピットフォールを回避せよ 総論
臨床検査における診断エラー
著者: 鋪野紀好12
所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院地域医療教育学 2千葉大学医学部附属病院総合診療科
ページ範囲:P.1214 - P.1217
文献購入ページに移動診断プロセスは大きく分けて,情報収集,情報統合・解釈,確定診断の一連の循環から形成されている(図1)1).この診断プロセスに基づき,医師は患者と診断に関する対話を行い,治療を行う.それがアウトカムとして正確かつタイムリーな診断となる場合もあれば,残念ながら診断エラーとなってしまうこともある.この診断エラーは患者のアウトカムや医療システムのアウトカムへ負の影響を及ぼしてしまう.
米国の調査では一般外来の成人受診患者の約5%が診断エラーを経験していると報告されている2).年間の患者数に算出すると,約1,200万人が診断エラーを受けたことになり,診断エラーは決して「他人事」ではない.さらに本邦における医療訴訟のうち,診断エラーに関連した訴訟は約30%を占めており3),医療全体に大きな負のアウトカムを及ぼしていることがわかる.
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