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文献詳細

雑誌文献

medicina6巻1号

1969年01月発行

文献概要

診断のポイント

慢性肝炎の診断基準

著者: 王子喜一12

所属機関: 1市立堺病院 2阪大

ページ範囲:P.45 - P.46

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慢性肝炎という病名について
 慢性肝炎という病名は単に肝炎のある状態を表現する言葉にすぎないとする極端な意見もあったが,現今ではもはや日常診療上のひとつの既定疾患単位となっている.しかしその定義については人によって意見が異なり,まだ決定的な見解が示されていない.
 Popper1)などの病理学者は急性ウイルス性肝炎→肝細胞壊死→持続性肝細胞変性→慢性肝炎→グリソン氏鞘炎と線維化→肝硬変という病理学的経路を考え,かかる慢性肝炎は肝硬変症に至る1つの課程にすぎないとしている.高橋教授2)などの臨床内科学者は3カ月またはそれ以上の経過で肝機能検査や肝生検像に異常があって慢性肝炎の診断を受けたものでも,1年後では機能的にも形態的にも治癒しうる症例が実在し,むしろ遷延性肝炎なる病名が適すると述べ,原発性慢性肝炎という病名も全面的に肯定するものでないとの立場をとっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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