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文献詳細

雑誌文献

medicina6巻10号

1969年10月発行

話題

眼底の血管造影データの集積を再検討—第1回国際螢光眼底シンポジウムから(6月9-14日,Albi,フランス)

著者: 清水弘一1

所属機関: 1東大眼科

ページ範囲:P.1121 - P.1121

文献概要

 今年の6月9日から14日まで,フランスの小都市Albiで,第1回の国際螢光眼底シンポジウムInternational Symposlum on Fluorescein Angiographyが開かれた.螢光色素であるフルオレセインナトリウムを造影剤として静注することにより眼底の血管造影ができることがCirculation誌上に発表されたのは1961年のことであり,それから約10年になろうとする現在,そろそろ各国からデータを持ち寄って,国際会議を開いてもよかろうというのがことのおこりである.眼科のなかでも,眼底の血管だけに関するかなり狭い領域であるにもかかわらず,fluorescein angiographistとでもよんでよい専門家が総勢約500人も参加し,にぎやかな会になった.この分野で特にきわだった仕事をしているのは,アメリカのIowaとMiani,ドイツのEssen,オーストラリアのMelbourne,イギリスのLondon,オランダのAmsterdam,それに日本なのであるが,おもだった顔ぶれはほとんどみえている.
 6日間続いたシンポジウムでは,毎日,午前・午後と,それぞれ違った中心テーマについての発表・議論がなされた.眼底疾患は,なにかの意味で血管病変と関係があるので,眼底診断学に関する事柄は当然であるが,血液のrheology(「流れ学」)の問題視神経を扱った神経眼科の問題なども当然対象となり,また,糖尿病性網膜症についても1日が割当てられ,検討された,国際会議というものは,一般には,参加者が未発表のまったくの新知見を持ってきて発表することはほとんどなく,すでにどこかでpaperになっている業績の焼きなおしのようなものを出すお祭り的な色彩が強いものであるが,まだ開発の途上にある分野だけに,このシンポジウムは,目新しい内容が多く,議論も活発に行なわれた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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