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文献詳細

雑誌文献

medicina6巻10号

1969年10月発行

文献概要

症例

症候性高血圧症の発見法—症例を中心として

著者: 白倉卓夫1

所属機関: 1群大鴫谷内科

ページ範囲:P.1151 - P.1159

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根治できる症候性高血圧症—診断が重要な課題
 わが国の死亡率第1位を占める脳卒中の根底にある高血圧症の治療は,その予防とも関連してきわめて重要である.今日,全高血圧症患者の約90%は,原因不明の本態性高血圧症で,残りの約10%は原因のはっきりしている症候性高血圧症であると推定されているが,この数は診断法の進歩により増加する可能性もあり,事実なお高い数字を出している学者もある.この10%の症侯性高血圧症患者数は,高血圧症患者の総数からいってけっして少ないものでない,特にこのうち,手術により根治しうる症候性高血圧症の診断は,私ども診療に従事するものにとって非常に重要な課題である.これら多くの症候性高血圧症患者が,診療の第一線に立っている医家の,本高血圧症に対する関心の低さに加えて,時閉的制約,診療用腸械器具の不備などから,その原因究明の努力がおろそかにされ,根治できない本態性高血圧症として,一生涯医者通いをさせられるならば,これは反省せねばならない問題である.このような観点から,私どもの高血圧専門外来の受診者のうち,症候性高血圧症が疑われた各種症例をえらんで,その臨床症状と経過を紹介するとともに,最近の診断法についてふれ,さらに私どもが得た2,3の知見について述べ,諸家のこの方面への参考に供したいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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