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文献詳細

雑誌文献

medicina6巻11号

1969年11月発行

文献概要

治療のポイント

尿路結石の待期療法

著者: 岡元健一郎1

所属機関: 1鹿大泌尿器科

ページ範囲:P.1246 - P.1247

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腹部疝痛→尿管石を思い出すこと
 腹部癌痛は多い症状であるが,泌尿器科医として希望することは本症状を呈する疾患として尿管石があることをぜひ思い出していただきたいことである.腎結石,尿管石を上部尿路結石というが,病痛は後者に多く,前者は鈍痛であることが多い.疝痛は尿管石が発見される最大の自覚症状である.上部尿路結石の3大徴候として結石疝痛,血尿,既往の結石排出が教科書にあげられているが,後者は悪性結石症を除いては少なく,血尿も肉眼的血尿はむしろ少ない.もちろん,顕微鏡的血尿は存在するので,最近の試験紙法で尿の潜血反応をみれば陽性にでる.しかしなんといっても特有の症状は尿管から膀胱,尿道方向に放散する発作性の疝痛である.
 この疼痛が右下腹部におこるとしばしば急性虫垂炎とまちがわれやすい.嘔吐,冷感,腹壁緊張を伴うこともあるからますますそうである.時には急性虫垂炎の手術をうけ,さらに疼痛が止まらないために始めて尿管石が発見されることもある.尿管石は下部尿管に篏頓することが多い(55.4%鹿大)ので,とくに下腹部の疝痛では本症の存在をつねに念頭におくことが臨床家にとっては大切だと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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