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文献詳細

雑誌文献

medicina6巻12号

1969年12月発行

文献概要

症例

Sodium polystyrene sulfonate(Kayexalate)による高K血症の治療効果

著者: 柴垣昌功1 日野原重明1

所属機関: 1聖路加国際病院内科

ページ範囲:P.1388 - P.1392

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Kayexalateの意義と試用報告例
 血清カリウム濃度が上昇すると.やがて心筋の伝導障害,心室性急拍症などが現われ,放置すれば,患者はショック,心不全.あるいは急性心停止などで短時間のうちに死亡する.それゆえ,高K血症は腎不全の最も危険な症状の1つであり.その死因に占める割合も大きい.
 高K血症に対しては,以前からアルカリ塩,カルシウム塩,あるいはブドウ糖-インスリンの点滴静注が用いられ,劇的な効果をみる場合が多いが,その作用時間は短く,静注をやめると、2-3時間後には再び高K血症が現われ,長時間にわたって静注を続ければ,乏尿のためにすでにナトリウムや水のたまっている患者を心不全に追い込む危険が大きい,したがって,これらの治療は救急処置としては価値を認められるが,ある程度の期間にわたって,持続的に高K血症を治療する目的には不適当なことが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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