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文献詳細

雑誌文献

medicina6巻2号

1969年02月発行

文献概要

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タバコ狭心症

著者: 秋山房雄1

所属機関: 1東大成人保健

ページ範囲:P.227 - P.227

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 "心臓病の一因にも—米国で愛煙家にまたショック"といった見出しで喫煙の害が,一昨年7月初め朝日新聞紙上に出ていた.これによると,米公衆衛生局は,4年前に喫煙と肺癌は密接な関係があるという報告書を出して,世界中に"タバコショック"をまき起こしたことがあるが,こんどは,喫煙は肺癌だけでなく,心臓病の一因にあるとの結論を出し,一方連邦通商委は,タバコ会社によるテレビ,ラジオのコマーシャルを喫煙推奨行為であるとつぎにあげ,議会は,その禁止立法を行なうべきだと勧告している.
 "心臓の悪い人にタバコは絶対にいけません"とは,保健指導の際いつもいっているところであるだけに,いまさらこんなことを,と少し意外な気持もあったが,いったいなぜタバコが悪いのかということになると,なかなかむずかしい問題があることを知った、以前は喫煙が,冠状動脈の収縮を起こすからだ,と簡単に考えていたが,薬理学的には,ニコチンは冠状動脈を拡張し,血圧を上げ,心拍と拍出量を増加し,また,アドレナリンを遊出させ,心筋での酸素消費量を増すということになっている.いわゆる"タバコ狭心症"といわれるものも,これを"喫煙直後,典型的な狭心発作を起こし,心電図上で冠不全の所見が現われるか,あるいはすでにあった変化が悪化するもの"と定義すると,このような例はむしろまれであるとOram1)はいっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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