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文献詳細

雑誌文献

medicina6巻3号

1969年03月発行

文献概要

統計

世帯の面からみた疾病

著者: 菅沼達治1

所属機関: 1厚生省統計調査部

ページ範囲:P.253 - P.253

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 疾病の発生は個人的・環境的因子の影響を受けますが,ここでは個人の生活単位である世帯の側から,その業態と収入を1つの指標として有病率を観察してみましょう.この結果は全国から約15万世帯を無作為に抽出し,4月14日現在で疾病をもつている人を把握したものであります.表のとおり,全国では586万人の傷病者がいると推計され,これを国民1000人対の率で表わしますと,有病率は60.3ということになります.この有病率は,前号に記した一時点における有病率(時点有病率といいます)とは違い,期間有病率といわれるものでありまして,調査前日からの繰越し患者のほかに,調査日に新しく罹患したものも加えたものであります.
 まず世帯の業態ですが,農家と非農家の2つに大別しますと,有病率はそれぞれ64.8と60.2であり,農家のほうが8%程度高くなっています.しかし農家でも家族にサラリーマンのいる世帯は,ほぼ全世帯平均の有病率であります.非農家については,無職とかきわめて零細な商売を行なっている"その他"は98.0の有病率で最高であり,日雇労働者も74.5と平均より24%も高率であります.非農家のうちそのほかの自営業,サラリーマン世帯は平均よりも低く,なかでも雇入をもった自営業世帯の有病率は48.9と,平均より19%も低率であります.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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