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文献詳細

雑誌文献

medicina6巻3号

1969年03月発行

文献概要

診断のポイント

細菌尿の診断

著者: 飯田喜俊12

所属機関: 1淀川キリスト教病院内科 2大阪市立大学

ページ範囲:P.287 - P.288

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検尿は尿中細菌を知るのに適当か
 腎盂腎炎ないし尿路感染症の診断には,1)臨床症状,2)尿所見,3)腎機能の低下,4)腎盂像の変化,5)腎生検,6)既往症などが行なわれるが,尿所見,とくに尿中細菌数を測定し,細菌尿の存在を確かめることもたいせつなことの1つである.
 現在,日常の診療において簡易に行なうことのできる検尿,とくに尿蛋白や沈渣所見が尿路感染症の診断ないし治療後の経過をみるのにしばしば用いられている.確かに尿沈渣所見や蛋白の有無は尿路感染症の有無を知るのに簡単な方法といえるが,はたしてこれが尿中の細菌の有無をみるのに適当な方法であるか,もう1度検討してみる必要があると思う.この際,尿の培養を行ない菌の有無を調べるのがよいとも一応考えられるが,たとえ清潔に採尿し培養しても菌が認められるもので,これがはたして病原性であるか雑菌であるかの判定はむずかしく,現在ではその菌数のいかんにより,1mlにつき1万以下なら正常,10万以上なら細菌尿と判断することになっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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