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文献詳細

雑誌文献

medicina6巻3号

1969年03月発行

症例

若年者女子にみられた間歇性左脚ブロック

著者: 山根暁一1

所属機関: 1淀川キリスト教病院内科

ページ範囲:P.317 - P.320

文献概要

脚ブロック診断の確立まで
 左脚ブロックが心電図に記録され,それが心筋の刺激伝導障害によるものであることが知られるようになってから60年近く経過しています。1909年にEppinger,Rothbergerらが刺激伝導系の障害の一つとして脚ブロックという考えのもとに犬による実験を行なったのが最初であります.翌年Eppinger,StroerkはI誘導でQRSが上向き,II,III誘導で下向きのQRSを示した数例を報告しております.そしてこれが右脚ブロックであると心電図学的に診断されましたが,その後いろいろの研究者により次々と報告が行なわれ,人間の心臓と犬の心臓の位置のちがい,とくに犬のそれは人間に比較して電気軸がより垂直位であることにより,診断上混乱をきたしていました.とくに最初の20数年は左脚ブロックが右脚ブロックと診断されたものもかなりありました.その後左脚ブロックの普通型,右脚ブロックの稀有型という考えかたが一般化されるようになりましたが,1932年Wilsonによる胸部単極誘導法の開発により,一層明瞭に診断されるようになり,ウィルソンブロックが右脚ブロックに追加されました.また心臓聴診上から脚ブロックの存在がかなりよくわかり,診断の助けになるとの報告も行なわれています.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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