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文献詳細

雑誌文献

medicina6巻8号

1969年08月発行

文献概要

診断のポイント

赤痢

著者: 小張一峰1

所属機関: 1長崎大熱帯医研

ページ範囲:P.879 - P.880

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軽症化して見のがしが多い
 定型的症状を呈する細菌性赤痢の診断は困難なものではないが,最近のようにその病像が著しく軽症化されてくると,臨床的診断が必ずしも容易ではなくなつてくる.しかし,赤痢が依然として伝染病予防法に規制された法定伝染病であり,患者は強制隔離をたてまえとする限りは,ある患者を赤痢と診断するか否かが,ほかの疾患の診断決定とはまた別の意味をもっている.
 赤痢をほかの疾患と診断してその患者が集団赤痢の原因となった例があるが,一方ではほかの疾患が赤痢と診定されたばかりに数週間伝染病院に強制的に収容される人たちも少なくない.赤痢患者強制収容の必要の有無はともかくとして,明治以来の伝染病予防法規が改廃されない限り,赤痢の診断は特別の意味をもつものと考えなければならない.そこで赤痢の診断は慎重の上にも慎重を要するわけだが,それを念頭におきながらも見のがしてしまうほど現在の赤痢は軽症である.その軽症な臨床像の中から赤痢の特徴をひろってみよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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