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文献詳細

雑誌文献

medicina6巻8号

1969年08月発行

文献概要

治療のポイント

トランキライザーの副作用

著者: 西園昌久1

所属機関: 1九大精神科

ページ範囲:P.886 - P.887

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トランキライザーの意味と作用
 精神的不安,焦燥など情動緊張を弛緩させる作用は,従来,催眠剤によって得られていた.実際に現在の向精神薬が現われてくるまでは神経症的不安に対して少量の催眠剤がひろく使われていた.しかし,意識の水準や精神作業能力の低下をきたすことなしに,情動緊張に選択的に作用する薬物があらわれたのがトランキライザーである.トランキライザーには主として神経症に効果のあるマイナー・トランキライザーと精神病に効果のあるメジャー・トランキライザーとに分けられる.おもしろいことに,精神病症状に利くメジャー・トランキライザーを少量使うと神経症症状にも効果がある.
 向精神薬の分類や名称は細かくいうといろいろの議論があるが,一般にはトランキライザーとはマイナー・トランキライザーのことをさすし,本誌の読者も神経症を対象とされて,向精神薬の使用を考えられる場合がほとんどと思われるので,マイナー・トランキライザーを中心に述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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