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特に興味をひいた2つのシンポジウム—第6回日本リハビリテーション医学会総会から(5月24-25,相沢豊三会長,東京)
著者: 横山巌12
所属機関: 1東大物療内科 2七沢病院
ページ範囲:P.948 - P.948
文献購入ページに移動亀山博士は脳硬塞と脳出血との比率について,10年まえに集計した際は1:2であったが,今回は1(強):1と脳硬塞例が増加の傾向があることを,浴風園の症例について報告し,さらに病理解剖学的にきわめて興味あるつぎのような知見を述べられた.リハの対象となる慢性片麻痺の3/4は内包に責任病巣があるが,内包のまえの部分の病巣はなおりやすく,一方,内包後脚の後1/3の病巣はなおりにくく,かつ限局性でも重度の麻痺ことにrigospasticityを起こしてくる.また,錐体における交叉には個人差が著明で,交叉せずに脊髄前索にくだる線維は5-78%(平均15%)であると述べ,また加瀬博士の質問に答えて,持続性の弛緩性麻痺は,内包部の出血が脳室内に破れた場合,および中大脳動脈の根幹で閉塞が起こって広範な硬塞が生じたときに起こること,Wernicke-Mann型の拘縮は病巣が内包に限局していると起こらず,レンズ核にわたる傷害があるとみられるなどの興味ある研究結果を報告された.
田崎講師は脳血管障害では脳循環量は減少しているが,歩行群では臨床群よりも大であり,また重症麻痺の回復良好群では脳循環量の増加の傾向を認めたと述べ,また,新教授はベッド上での下肢屈伸運動およびMasterの2step testでは血圧の軽度の上昇とともに頭部血流量の増加を認め,このような運動が片麻痺の治療によい影響を与える可能性があると報告された.
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