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文献詳細

雑誌文献

medicina6巻9号

1969年09月発行

文献概要

救急診療

Isoproterenolの使い方

著者: 岡田和夫1

所属機関: 1東大麻酔科

ページ範囲:P.960 - P.961

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Sympathicomimetic amine
 今日,いろいろのsympathicomimetic amineが合成され,その薬理学的効果の特徴もいろいろ研究されてきた.Ahlquistの分類した受容体(receptor)説によって,この作用をα,β受容体効果として分けて考えると理解しやすい.α受容体は大部分の興奮作用と重要な抑制作用(腸管の弛緩)に関係し,β受容体は大部分の抑制作用と興奮の1つ(心筋刺激)に関係している.
 循環系もこのような観点からながめると,この種薬剤の作用機序が理解しやすい.心筋にはβ受容体があり,これが刺激されるとinotrope positive,chronotrope positiveに働いて心収縮力,心拍数も増してくる.末梢血管壁にはα受容体,β受容休があり,α受容体が刺激されると収縮β受容体が刺激されると拡張,という反応を示す.したがって腰椎麻酔後の低血圧のような末梢血管拡張に対してはα受容体刺激作用の強いneosynephrine,araminoneを使用ようにする.α,β両受容体刺激作用を持つアミンは末梢血管の収縮,拡張の両作用を及ぼすことになる.そのいずれが勝って結果として拡張となるか,収縮となるかはその投与量による.さらに体の各部での血管床の態度が同一アミンでも異なっているのも注意せねばならないし,同一量を投与しても血液のpH,CO2分圧,麻酔中ならその深度によりその効果が異なる点も注意せねばならぬ点である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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